第70話 ギュンタの意地

「まだ半日、どこか適当なダンジョンに行こう!」

「考えてみると驚異的な速度で、2つのダンジョン踏破したんだな、流石冒険者ギルドのギルドマスター

 後は…『金の成るダンジョン』『香辛料ダンジョン』『迷いの森ダンジョン』って所かな」

「香辛料ダンジョンはいつでも行ける、金の成るダンジョンが良い!」

「オーボウ町の金の成るダンジョンは、スライムしか出ん、無駄になるかも知れんが良いか?」


「やるだけやって、無駄なら明日もう一度燃料ダンジョンに行けば良い!転移してくれ」

 無駄に前向きなギュンタに付き合って、金の成るダンジョンに転移した。

 この転移の腕輪が無ければ、ギュンタの修行は数ヵ月掛かって居ただろう、転移出来るのは有り難い。


「このダンジョンは異常だ!スライムがまた溢れて重なってる」

「多い方が有り難いぞ!」

 無駄に前向きだな。


 ギュンタは、精力的にスライム討伐を始めた。

 俺は回復に勤め、メイとジライが賎貨を数えながら回収してくれてる、単純で面白味の無い作業を黙々とやってくれてる、後から何か報いなければ、と言うか俺達何をしているのか?ギュンタが超人になれたとして、俺達に何の得が有るのか?ま、俺にオロが冒険者になって随分ギルマスには助けられた、恩返しのつもりで頑張るしか無い。


 結構巧みにスライムを倒して居るが、500匹程涌いている踏破に1時間以上掛かるのはしょうが無い、2階層に降りた。

 赤いスライムは賎貨5枚落とす、2500枚と端数なのでこの階層も500匹程涌いていたようだ。

「あれ?30分位?ギュンタ倒すの早くなった?バルスもそうだった、大量のスライムは経験値的には良い相手なのかも」

 ギュンタは聞こえていないのか、3階層に降りて行った。

 3階層の水色スライムも、30分位で踏破した、スライム1匹倒す度の回復はかなり疲れた。

 賎貨5000枚と端数なので、この階層も500匹いたようだ。


 金棒を持たせると軽く振り回してる、もう止めて良い状態やっと超人になった。

 ギュンタは金棒を持ったまま、4階層に降りて行った、俺達も後を追った。

 4階層も賎貨1万枚と端数なので500匹程いたようだ。


 どうなる事かと思ったが、無事超人に成った。

 

「冒険者ギルドに転移してくれんか?登録したい」

 一気に用事を終わらせた方が、こちらも気が楽だ。

 孤児達の世話も早目られる、けど今日はさすがに疲れたぞ!


 ハンエイギルドに転移した。

 ラッシュ前でギルドは空いていた。

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