第66話 公爵の冒険者登録

 公爵がぶっ飛んだ事を言い出した。


「聞き間違いで無いなら、冒険者になるつもりか?」

 敬語がおかしくなったが、それどころじゃ無い!

「儂はこう見えてまだ45歳だ、冒険者になるには多少遅いかも知れんが、超人にしてもらえた今なら遅過ぎる事は無い!王で無くなった兄は忙しく無い、儂の助けは必要無くなった!これからは好きな事をやりながら、暮らしたい!好きな事とはモノパーティーのメンバーになり冒険者に成ることだ!!」


 冒険者に成るだけでなく、俺のパーティーにはいりたいようだ。

 便宜上とは言え、秘密を見せ過ぎた、取り込んで仲間にするのが得策かも知れんが、相手は公爵だぞ?

 クランに連れて帰ったら、皆はどう言うだろう。


 ギルドまで帰れば、ギルマスが上手く言いくるめてくれるかも。


 ハンエイギルドに転移した。


「モノさん?今日は何事ですか?」

「公爵様がギルド登録したいそうだ、剣技に力は特級冒険者の俺が保証する!ギルマス試験を受けたい」


 公爵様だから、即ギルマス室に通された。


「モノさんが着いて来たと言う事は、公爵様も化け物って事か?」

「師匠に指導してもらった試験を受けるぞ、あれを振れたら合格なので有ろう」


 公爵は飾ってある超剣を手に取り、ギルマスの前で軽々と振った。

「こんな物も振れるぞ!」

 超剣を壁に戻し、収納してた金棒を取り出し振り回した。

「分かった、中級1等タグを発行しよう、公爵様間違って無いと確信しました!!モノさんはイリス大王に似た事が出来る…で有りましょう!」

「うむ」

「報酬は子爵?」

「いや、伯爵だ」

「金貨もギルドランクもモノさんには報酬にならん、後はもう土下座して必死に頼むしかない!モノ師匠!儂も超人にしてくれ!!」


 ギュンタは今までの事を話た。

 最初はイリスが育ったゲンカイ村の、過酷な農作業が超人化発生の原因と思って居ったが、大切に育てられ教育のみだった村長の非力な娘リタがイリスの仲間になった途端に超人になった。

 調査目的で、サブギルマスだったピサロをイリスクランに入れると超人になった。


 儂は羨ましくてな、じゃがギルドマスターの儂が勝手な事は出来ん。

 イリスはカンゲイ神の加護持ちで、特別な唯一無二の存在と思って居ったが、そこに現れたのがモノさんだ!

 人には元々強くなれる因子があって、神の加護はそれを直ぐ引き出す。

 モノさんは急激に強くする特別なノウハウを知っておると確信した!

 この機会を逃せば、希望は閉ざされる頼む!!

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