第60話 次は僕が!でチョッともめた

 クランホームに帰ると、メイ達も帰っていた。

「あっ!順調だったようね、シータおめでとう!非常識人間になったようね」

「メイさん皆見て!」

「ん?あっ!!すげぇ!冒険者タグ着けてる!!」

「本当だ!モノさんは凄い!たった1日でシータが非常識人間の仲間入りしてる!!」


 シータはダイヤモンドの原石を出して自慢してる。

 デンジソードでなく、ダイヤモンドの原石って所が女の子らしくて微笑ましい。

 忘れてた訳で無く、収納の腕輪魔道具やデンジナイフにデンジソードも出して自慢を始めた。


 最初は感心しながら見ていたガムトにバルスが「「明日は僕が行く!」」と喧嘩を始めた。

「そうか、シータを見ると待てんようになるな……二人同時には…無理だな中途半端になる…ふむ」


 スライムダンジョン、何か思い出しそう……「そうだ!金の成るダンジョン!」

「モノさん?突然どうしたの?」

「スライムダンジョン、他にも有った!陰謀でハッサ、俺の生まれた男爵領を潰したオーボウ子爵領、今は大王様に討伐されてオーボウ町だが、そこに硬貨を落とすスライムダンジョンが有る、明日は俺とジライがバルスを連れて行く。メイはシータとガムトを連れて、燃料ダンジョンに行ってくれ!

 これで二人同時にパワーレベリング出来る!」


 スライムは馴れた者でないと、結構面倒な魔物で落とすのが、全て賎貨と言うショボさから不人気ダンジョン、いつ行っても人が少いダンジョンだ。

「金の成るダンジョンだけでは、超人化出来んので、香辛料ダンジョンにも行くか」



 夕食を食って、明日の打ち合わせ収納の腕輪をガムトとバルスに渡してやった。

 メイには転移の腕輪を渡した。

 予備は後1個しか無い、イノマは1パーティーに1個で3個くれたようだが、オロは後回し、シノブに渡してやった。


 ガムトとバルスは興奮して、暫く騒いで居たが疲れていたようで、いつの間にか寝ていた。



 朝飯を食い、山盛の握り飯昼飯を収納し、準備を終えて転移した。

「あそこに見える山脈の山裾やますそに『金の成るダンジョン』が有る」

 俺がバルスを背負い、走った。


「普通の洞窟に見えるね」

 入って驚いた。

「流石不人気ダンジョン、又々スライムで溢れてる!」

「モノ様、どうします?」

「俺達が手出ししては意味が無い、ズルだがバルス、デンジナイフをやる!この格を刺してみろ」

 バルスは、昨日ゴブリンをそこそこ狩ったようで、振動するナイフでもしっかり握り、スライムの格を刺した。

「落とす賎貨は全てバルスの物だ、収納して置け」

「良いのか?」

 賎貨でも、お金を稼げるのは嬉しいようで、嬉しそうに回収してる。


 バルスは勢い良く、溢れたスライムを倒して行く。

 疲れを知らない子供とは良く言った物で、1階層を一気に踏破した。

「ゴブリン狩を先にやって良かったな、スライムは楽に倒せるだろう!」

 チョッとは疲れたのかバルスは頷いただけで、声が出ない。


「休憩しながら、賎貨何枚あったか数えてみろ」

 座り込んで、黙々と数えてる。

「1000と27有った!」

「千も居たのか?1000はこの革袋に入れて収納して置け」

 スライムでも1000匹倒せば、非常識人間に少し近付いたはずだ。



「2階層は赤いスライムで、賎貨5枚落とすぞ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る