第55話 ジライ絡まれる

 翌日昼前までノンビリ休養し、ダンジョンに転移した。

「おう!しっかりポップしてる」

 コボルトを全員で倒し、2階層に降りた。

 ゴブリンも皆で倒しゴブリンナイフを回収した。

「デンジソード、一度使うと手離せんな!」

 サクサク倒せて、全く疲れない。

 3階層のワーウルフは適当に倒し普通の剣を回収し、直ぐに4階層に降りた。


 ビッグボアも手分けして殲滅せんめつした。

 デンジナイフが12本手に入った。

 5階層でも、7体ストーンゴーレムが現れ、7振りのデンジソードをゲットした。

 2度目で、しかも3人で対処した事もあり、30分で攻略出来た。


「ハンエイ町に転移するぞ!」


「お!モノさん、もう勅命依頼ちょくめいいらい済まれましたか!相変わらず手際が良いですね!」

「あぁ、俺達には簡単過ぎる依頼だったからな!通るぞ」

「はい!お疲れ様でした!モノさんは自分達警備兵の憧れで有ります!」

「そうか?衛兵を首になった俺を、憧れては駄目だぞ」


 メイとジライは既に走ってる、俺も後を追い掛けた。


 ギルドに入ると、騒然としていた。

「ヨミ、何か有ったのか?」

「モノさんお帰りなさい!イノマクランの噂を聞き付け、おこぼれにあやかろうと冒険者がハンエイ町に押し掛けて来たの」


「そうか、無駄な事を、ギルマスは部屋か?」

「はい、居ります」


 俺達の会話を聞き、面白く思わない荒くれ冒険者は多数居たようだ。

 一番弱そうに見える、ジライにからんで来た。

「おい!ガキが大層なタグを付けて!特級冒険者に寄生すると楽で良いな!万年中級の俺にもお溢れくれや!」

「万年中級なのは、貴方に実力が無いせい!見知らぬ奴の面倒は見れん」

(おう!ジライも自信が付いて言う様になったな)

「弱そうなガキが、お前のようなガキを、クレイジーベアの毛皮を着たゴブリンと言うんだ!」


「おい!!この貴族章に気付かんか?無礼討ちするぞ!」

「ガキに出来りゃぁ遣って見やがれ!」

 ジライは無言で前に出て、粋がる荒くれ冒険者を張り倒した。

 男は吹っ飛び、ギルドの扉から表に飛び出して行った。

「殺すのはいつでも出来る!これに懲りたら少しおとなしくして居れ!次は問答無用で殺すぞ!」


 絡んだ男の胸までしか背の無い子供が、圧倒的強さを見せた。

 賢い冒険者は、イノマクランのメンバーは化け物達との噂は正しかったと理解した。


 残念ながら、頭の悪い者が結構多いのが、冒険者の実態だ。


 俺達はギルマス室に入った。

 ギュンタギルマスにアイテム見本1セット渡して、報告を終わらせた。

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