第54話 デンジナイフにデンジソード

 ジライはカレェゾを泣きながら旨そうに食った。

 俺も少し食い過ぎたようだ。

 食後休憩を長めに取って、剣の品質をみた。


 コボルトナイフは折りたたみ式で、包丁の代わりにはなるかな?

 ゴブリンナイフは、スローイングナイフでバランスも良さそう、ジライに渡して投げさせた。

「上手いもんだ!」

 壁を的に数回投げて、全て同じ所に当てた。

「スローイングナイフは全てジライが収納して置け」


 ロングソードは、悪くは無いが凄い業物では無かった。


「4階層に降りるぞ!ビッグボアが出てくる!」


 ビッグボアは単独でマバラにしか出んかった。

 俺達が手伝う事も無く、ジライ一人で倒して行く、俺は余裕でアイテム回収した。

「ビッグボアなのに、ナイフがアイテムかよ!」


 鞘から抜いて驚いた。

「おぅ!デンジナイフだ!」

 ビリビリ手が痺れる感覚、ナイフが振動して切れ味を凄くしてる。


「魔道具の武器はもっと欲しい」

 ビッグボアは10頭で打ち止めだった。


 5階層に降りた。


 予想通り、ストーンゴーレムが出てきた。

 動きの緩慢かんまんなストーンゴーレムを、ジライは危なげ無く金棒で粉砕して倒してる。


 落としたアイテムは、ジライが持っているのと同じデンジソードだった。


 残念ながら、5体で打ち止めだった。


「公爵様にサンプル1セット、ギンタギルマスに1セット、ギュンタギルマスにも1セット……デンジソード2振りしか残らん!」


「一度公都に戻り、公爵様に報告サンプル1セット渡して、ギンタギルマスにも報告サンプル1セット渡して、幸福亭に宿泊し明日4階層5階層を再攻略で良いかな?」

「同じ手間なら1~3階層も適当に攻略して特にスローイングナイフはナッス達も喜びそうよ」


 公爵様は、今回の詳細な調査報告で金貨100枚と、ジライに騎士爵を授与して下さった。


 ギンタギルマスからの報酬は、俺達の昇級は特級以上無いので、ジライのタグを銀の4本線、上級見習いに昇級?させてくれた。

 10歳のジライに良いのかな?

 ま、ギルドマスターが正式に決めた事、良いのだろう。

 このまま俺達と行動すれば、ジライは近い将来金のタグ4本線の特級見習いなんて前代未聞の階級になるかも。


 幸福亭ではエリス市長の歓迎を受け、又々無料で宿泊させてもらった。

 クランメンバーが増えても大丈夫な様に、大量の収納の腕輪をイノマから引き継いで居る、お礼にエリス市長に収納の腕輪とデンジナイフを贈った。

 恐縮されたが、余ってる魔道具で喜ばれてはこっちが恐縮する。



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