3章 新生イノマクラン

第51話 勅命依頼

 強引な所はあったが、統率力のずば抜けたイノマが抜けて、俺達は意見が纏まらん。

 イノマは律儀に全ての金貨を残して消えていた。

 クランの資金4900枚の金貨は、俺の名義に変えられていた。

 銘々休日中の行動で、全員凄い金貨を稼いだようで、当分と言うより働く必要が無い状態だ、引き続き休暇中の行動を、ダラダラ皆は続けてる。


 そんな時、ウエルズ公都からの勅命依頼ちょくめいいらいが、届いて居るとの報せが来た。

「モノ様、勅命依頼だそうで、ギルドのヨミ様が訪問されて居ます」

 執事のセーバが俺に報せた。


 応接室に行くと、受付嬢のヨミちゃんがチョコンと座っていた。

「あっ、モノさん!凄い邸宅ですね!チョッと落ち着かない…モノさんって男爵様ですものね、勅命依頼の手紙を預かって来ました、読み終わりしだいギルドに顔を出すようギュンタギルマスが言ってました」


 勅命依頼の手紙には。

『公都宮殿に大至急来られたし!ウエルズ公爵』

 としか書かれていなかった。

「ギュンタさんなら詳しく聞いてるかも、ヨミさんギルドまで行くよ!」

 ヨミをメイが背負い、ジライと共にギルドまで走った。

「わっ!わわぁ~、モノさん達っていつもこんな速度で移動されてたの?凄い!特級冒険者って…?初めて見る小さい女の子も同じに走って?もう着いた!!」

 ヨミちゃんがにぎやかだった。


 そのままギルドに入り、ギルマス室にノックして、返事を待たず入室した。

「おぅモノさん!勅命依頼の件だな…その女の子が超剣を振った新メンバーか?登録出来る年齢か?」

「ジライは10歳登録は出来ん」

「見習いの中級4等タグを発行するぞ!!嬢ちゃんは12歳で即中級に昇級出来る、特例で銅のタグに4本線のタグにして、中級見習いとする!」


 ん?何か凄いのかショボいのか分からんタグだな?


「モノさん、勅命依頼は新報告の有ったダンジョンの調査依頼だそうだ」

「高難易度のダンジョンか?」

「1階層でいきなり三つ首ヒドラが出たそうだが、ダンジョン攻略が終わり、3階層はワーウルフ、4階層はビッグボアと少し難易度が高いダンジョンに変わったそうだ、ただ落とすアイテムが武器らしい」

「チョッと待ったぁ!三つ首ヒドラを倒して、ダンジョン攻略なんてやった冒険者は誰だ?」

「イノマが報告したと言って居ったぞ、イノマは新メンバーの世話が有るので、モノさん達に任せると言い残したそうだ」


「……ダンジョンの場所は?」

「聖教市東門を出て50㎏地点の山脈の中腹だ」




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