第49話 ジライの装備

「では、遠慮無く言います!戦うための武器と装備を買って下さい」

「そんな物で良いの?ジライちゃんは、可愛いから着飾ってみては?」

「シーフの装備は特殊で、鍵開けの道具に足音の出ない靴や、衣擦きぬずれれ音を出さない衣装、武器に道具も光を反射しない黒く仕上げた物など結構高価な買い物になります」


「では、ハンエイ町の武器屋に転移するから、良い物を選べば良い」


 一瞬での転移は何回やっても戸惑う。

 ジライは、ゴウケンと何か特殊な話を初めて、俺達にはチンプンカンプンで役に立たない。


 一見ガラクタに見える装備を、なめし革のケースに丁寧に収納してる。

 体のサイズに会わせた真黒の武器は、剛剣まで黒く仕上げた特注品、金棒も黒く仕上げて腕輪に収納してる。

 ゴウケンは試さずには居られないのか、超剣を出して来た。


「お、おい!このチミッ子まで超剣を振るか?チミッ子嬢ちゃんは…10歳だとぅ!」

 ゴウケンが呆れていた。


「武器も大事だけど、シーフの衣装が一番大切!」

 と言う事で、隣のテツの防具屋に入った。


「シーフの衣装一式」

「へい!……その体のサイズに合う衣装は、一種類しか無いぞ、色が可愛く無いとか贅沢は言うな!」

 テツが準備した衣装は、とても10歳の可愛い少女が着るような物では無かった。

「グレイしか無いのか!テツ、10歳の少女にはいくら何でも、これは無いぞ!」


「店主さん、このサイズでこの色、売れ残りでしょう!いくらに値引きしてくれる?値引きしだいでは、我慢して着るわ!」

「靴と衣装一式で…銀貨5…2枚でどうだ?」


 銀貨2枚はお買い得、ジライは即購入して奥で着替えて出てきた。

 可愛い子供は何を着ても可愛い!

 グレイの衣装は、ジライに凄く似合っていた。

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