第48話 燃料ダンジョン【2】

 黒いスライムも少し時間は掛かったが、ジライ一人で殲滅させた。

 物凄い量の石炭をジライは収納したはずだ。


 4階層に降りた。


 魔物はゴブリンになった。

「ジライ一人ではチョッと大変かな?」

「大丈夫ですモノ様!」

 大丈夫みたいだ、ジライは身軽に踊る様にゴブリンの喉を切り裂く攻撃で、次々と倒して行き、動きが更に速くなって行った。


 ナイフを剛剣に替えてやると、更に倒す速度が増した。

 確実に強くなってる。

 ジライも自分で自覚出来て要るようで、楽しそうにゴブリンを倒して行く。

 落としているアイテムがよく分からん、石炭の様に見えるが持つと軽い、よく見ると小さい穴がボツボツと開いてる。

 燃料には違い無い様なので気にせず収納して置いた。

 非常に熱量が高く燃えやすいコークス殻炭など、見たことの無いモノに知りようが無い。


 実質4階層を、ジライ一人で制覇した事になる。

 戦いの素人だったジライが、これほど戦えるようになるとは、モノも予想以上の成果だった。


 弱い騎士達も、この方法で強くする事ができそうだ。

 手探りで始めたが、パワーレベリングのノウハウをモノは習得したようだ。


 5階層に降りた。


「あれ?ストーンゴーレムだ、一気に魔物が強くなってる」

「普通はオークが出る所よね?」

 今のジライでは硬いストーンゴーレムを倒すの無理だろう。


 俺とメイは金棒を装備、ストーンゴーレムを破壊して行った。

「モノ様?その金棒を貸して下さい」

 金棒をジライに貸すと、軽く振ってストーンゴーレムを粉砕した。

「おう!予想以上に強くなったな!」


 メイも攻撃を止め、ジライに討伐を任せた。

 流石に途中息切れしたようで、俺達が辺りを注意しながら、ジライに水を飲ませ休憩させた。


 20分程の休憩で、ジライは復活、元気よくストーンゴーレムを粉砕して行った。

 ストーンゴーレムの落とすアイテムだが、どう見ても燃料では無い。

「この綺麗な宝石は?ダイヤモンドか?何で燃料ダンジョンで宝石?」


 ストーンゴーレム粉砕で余裕の無いジライに代わり、モノもメイも首をかしげながら宝石を回収した。


 ダイヤモンドは純粋な炭素が高温高圧で結晶化した物で、ある意味純粋な燃料として燃やす事が出来る、燃やす馬鹿者は居ないだろうし、バカみたいに高価な燃料では有る。


「5階層で終わりか、結局ジライが一人で完全踏破したな!よくやった!褒美は何が欲しい?」

「えっ?褒美ですか?奴隷として当然の事をやっただけですよ?」

「ジライは仲間だぞ!」

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