第45話 転移の腕輪

 ノンビリ2泊して、宿を出る事にした。

 イノマ達は1拍しただけで、出て行ったそうでフロントで市長さんに手紙と腕輪を渡された。

「イノマ様が、モノ様に渡して欲しいと言われ、お預かりして居りました」


 早速手紙を読むと。

『転移の腕輪です、行った事のある場所に一瞬で転移出来ます。有意義に使って良い休日をお過ごし下さい』

 と、書いて有った。


「これって、秘密にした方が良さそうな魔道具だな、便利だが」

「そうだね、イノマさんがピーターの能力、他言無用って言ってた意味が何と無く分かる気がするよ」


「何か一番知られたく無いのが、イリス大王様って言ってた理由も分かるな」

「折角便利な魔道具頂いたのだから、ナマカゼダンジョンに行ってみない?」

「今はたいした魔道具出ないと思うが、行ってみるか」

 メイと男女の仲になれて、会話に固さが無くなり、気楽に話をしてくれる様に変わったメイを好ましく感じながら、俺達はナマカゼ町に転移した。



 ナマカゼ町の冒険者ギルドが復活していた。

 閉鎖的だった田舎町に活気が溢れ、町民の表情も明るく開放的に変わっていた。

 特殊な魔道具ダンジョンとして、冒険者が集まり銀貨を落とす良いお客様って感じの受け入れ方だが、以前よりなんぼかましな町になった。


 高難易度ダンジョンを攻略、解放したイノマクランのメンバーと知れて、ナマカゼギルドでは物凄い歓迎を受けた。

 一方冒険者で溢れるナマカゼダンジョンは、全く面白く無かった。


 駆け足攻略が終わってしまった。

「期待外れだったね」

 一度ダンジョンから出ると、安全のため入場制限がされて居て、順番待ちの列が出来ていた。

「順番待ち待機では、休暇が勿体無い移動するか」


「この山脈の北は、シバレル連邦でしょ?特級冒険者の私達に国境は無い、チョッと観光してみない?」

「それ良いかも、休暇っぽくシバレル連邦観光行こう!」


 俺とメイは人外体力で山脈を駆け上がり、山頂からシバレル方面を見渡し駆け降りた。

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