第44話 聖教市の宿でもかち合った

 公都冒険者ギルドに再び入った。


 ギルドランク二人共特級冒険者なのでこれ以上は上がらない、一応俺が男爵メイが准男爵に昇爵した事のみ報告する。

 既にギルマス室には先客がいた、イノマ達だった。


 ピーターとゴン子が上級3等に昇級していた。

 それに、見たことのない女性が二人中級2等のタグを発行してもらってた。


「モノにメイ、私達用が済んだので、お先に行くね!休暇しっかり楽しんで!」

 慌ただしくイノマ達が出て行った、新顔の二人紹介して欲しかった。


「ギンタギルマス、俺は男爵にメイは准男爵に昇爵した、一応報告したぞ、俺達も休暇を楽しむため、先を急ぐ!休暇が終われば平常運転に戻る!では」

 言い残し、俺達もギルドを後にした。


 ピーターやゴン子は俺達かそれ以上の超人だろうが、普通っぽい女性が二人居た、絶体大通りを歩いてるとキョロキョロ眺めたが、何処にも見えない。

 もう気にせず、東ウエルズ市を目指し走った。

 東ウエルズ市北門まで30分で到着、即門を通過聖教市南門を抜けた。


 宿屋の名前は迂闊にも聞いて居ないが、場所は覚えてる。

「メイ、今日はここに宿泊する」

「この宿屋、食事も美味しいし良い宿だったね楽しみ!『幸福亭』って言うのね」

 メイが見上げている正面に『幸福亭』と看板が有った。


 宿の受け付けには、何と市長が居た。

「モノ様、メイ様、ようこそいらっしゃいませ!」

「市長さん、幸福亭って言うんですね、知らなかった」

「先程イノマ様に命名して頂きました」

「え?イノマ達もう着いてた?」

「はい、お部屋でおくつろぎで御座います」

「どんだけ高速移動だ?」


 イノマ達も目的は同じ、公都の宿には泊まる気がせんから、当然かち合うか!

「イノマ様のお隣の部屋にご案内致します」

「いや、お互い休暇中、部屋は離れている方が良い」

「お隣は良いお部屋なのに、残念です。後は普通の部屋になりますが、ご案内して構いませんか?」

「モノさん、お互い干渉しないようにすれば、お隣の部屋で良いと思うよ」

「…そうだな、市長さんイノマ達の隣の部屋に案内して」

「かしこまりました、こちらで御座います!」


 案内されたのは、3階スイートルームだった。

 宿泊代いくらかかる?不安になるほど特上の部屋だ。

「大恩人のイノマクランの皆様は、永代無料で宿泊して頂きます!ごユックリおくつろぎ下さいませ」



「永代無料って、ずっと無料ただで泊まれるってことか?」


 何も考えず、ノンビリ2泊した。

 やっとメイと男女の仲になれた。

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