第32話 ゴン子が仲間になった

 森にひそんでいた、30匹程のゴブリンは、俺達を手強いと思ったかおとりを置いて森に消えた。

「リーダー?それどうするの?」

「何か使役出来た」

「会話してたの見てた、ゴブリンなんか使役して、何かの役に立つ?」

「銅貨5枚より役に立つっしょ!」

 コノハはゴンを魔石と比較してる。

 話すと、ゴンは結構可愛い…この醜悪な顔、もう少し愛嬌が有ればよくあるペット枠で通用するのだが。

⦅ふむ、使い途か⦆

「ゴンは矢を射る事は出来るか?」

﹝オデ、アージャーナイ﹞


「イノマ?森に放してやった方が…」

「モノ!使役したの!!私が飼うの!」

(仔猫拾って来た子供かよ!イノマは子供だった…こう言う時年齢が出るな。ま、良いか、役には立たんでも害は無いか)


 騎士達は、シノブが決めたなら決定に従う。

 反対無し、全員がゴンを仲間に受け入れた。


 ゴンの衣装は女性と言うか、女の子の服だ。

 元の持ち主の運命は、察して余りある、服が不要な生活の末食料にされたのだろう。

 ゴブリンのゴンって安直な命名したけど、ゴンは珍しいメスだった。

「ゴブリンにメスが居たのか?ゴブリンやオークはオスだけと聞いてたが、ちょっとした発見だな」

 モノが驚いていた。


 女の子にゴンって名は無い、急遽『ゴン子』と呼ぶことにした。

 手先が器用だから知恵が付いたのか、知恵が付いて手先が器用になったのか、そんな事は重要では無い、重要なのはゴン子は料理の手伝いができて、僅の間に煮炊き料理が作れるようになった。

 話し方で利口に思えんが、思いの外知能が高いようだ。


 新しい仲間?ができて楽しい旅になった。

 私達は野営の寒さ、あまり感じなくなったが、シノブやコノハ、騎士達は寒さがこたえるようで、出来るだけ宿屋に泊まるようにしてるが、必ずゴン子でもめる魔物だからね。

 そんな時准男爵、貴族の肩書きが生きて、1人の宿泊代を追加で支払えば無理が通ってる。


 野営料理、ゴン子はカレェゾまで作れるようになった。

 カレェゾの見た目にも慣れ、皆カレェゾを喜んで食べてる、身体の中から熱を発する食べ物は、冬の野営には持ってこいの食べ物だ。

 まだ余裕は有るが、香辛料ダンジョンで補充しなくちゃ!


 そんな感じで馬車の半分の日数、15日で公都に到着した。


 門番と一悶着あったが、貴族章それも准男爵が3人に騎士爵が3人、7人の騎士の団体に上官が現れすんなり通過出来た。


 都内はソリを担ぎ、ギルドに向かった。


 ギルドに入ると6人全員銀のタグ、注目を集めた。


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