第29話 ギルド依頼
「ふざけるな!!そんな着飾って冒険者が務まるか!!」
冒険者ギルドの使いから、冒険者ギルドに出向いて依頼を受けて欲しいとの伝言が有り、私が装備を整えた姿を見てバンチャが準備した鎧と剣で、私がキレて叫んだ言葉だ。
「しかし、ご主人!貴族としての対面が御座います!この装備は男爵としての正装でありますぞ!そんな粗末な身成では……」
「もう良い!!お前が粗末と言う装備で、私は何度も死線を潜った!命を守る冒険者の装備に、素人が口を挟むな!!」
「しかし、貴族として……」
「私達はここを出て行く!!二度と帰らんから安心しろ!!
イリスクランのメンバー!!聞いた通りこの邸から撤収する!!二度と帰らんから忘れ物の無いよう準備して来い!!私は外で待つ!」
私は外に出てから言い残した言葉を執事に投げ付けた。
「おい!バンチャ!!貴族の前に私達は冒険者だ!それも王国中で数人しか居ない上級冒険者!お前が気にいらないなら、貴族位など公爵様にお返しして、スッキリ冒険者稼業に励む」
私が叫んでいる内に、全員が出て来た。
「冒険者ギルドまで、駆け足!進め!!」
私が叫んでいるのを、公爵様が聞いて居たとは全く気付かず、ギルドに向かって走って行った。
イノマクランが走り去った後、バンチャ執事の呟き。
「やれやれ、これだから貧民の成り上がりは、公爵様もなぜあんなのを、それも准男爵などに叙されたのか?」
これも、しっかりハンエイ公爵は聞いて居た。
腹を立てたイノマは思いっきり走った。
イノマの本気の走りに着いて来れたのは、メイにモノとオロだけだった。
「イノマさん、ギルドマスターがお待ちです、ギルマス室にお通り下さい!」
ヨミちゃんは相変わらず忙しそうにしてる。
勝手知ったるで、ギルマス室をノックして、返事を待たず入室した。
「おう!イノマクラン…人数少なく無いか?」
「後から来る、ギルド依頼の内容を聞きたい」
「ナカエ帝都から聖教市寄りにある、ナマカゼ町に高難易度ダンジョンが見付かった!イノマクランに調査を依頼する!」
「聖教市?」
「以前のカンゲイ聖教市国だ」
「あぁ、金貨のダンジョンがある、あそこか」
「イノマクランなら、今すぐにでも調査に行けるだろう?」
「後20日程で雪解け……いや今年の積雪は異常、雪解けも遅れるかも、ソリで公都に着くまでは雪解けは無いか?
ギルド依頼引き受けた!準備
「ああ、公都ギルドから来た依頼だ、詳細はギンタからあるだろう」
ソリの中型と小型二台借りて、小型に私とメイが駆動係り、シノブとコノハが乗り、中型の駆動係りはモノとオロ、騎士7人が乗った。
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