第27話 豪邸をもらった
公爵様も絶賛旨いギルド飯を食べ終り、全員で公爵様の護衛で子爵邸に向かった。
のんびりと言うか、公爵様の歩調に合わせると、子爵邸まで60分程かかった。
「あれ?公爵様?」
「イノマクランの皆に見てもらいたい物がある」
公爵様は子爵邸を通り過ぎ、貴族街を東に向かった。
子爵邸には劣るが豪邸続き、一際豪邸の前で止まった。
「この家をイノマクランのホームベースにしてくれ!東門に近いのでコウシン町との行き来に便利で有ろう……イノマ准男爵達が走れば何処に住もうと関係無いか、中はそこそこ豪華に作って居って住良いと思うぞ」
と、言いながら門を勝手に通り、扉のノッカーを打った。
扉が開き、執事が出迎えた。
「公爵様!お帰りなさいませ!」
「バンチャ、出迎えご苦労」
バンチャと呼ばれた執事が退き、公爵様に続いて俺達も中に入った。
執事の横にいるのは、犬ゾリの御者にメイドが2人お辞儀で迎えた。
(御者が連絡してたのか?この邸宅を俺達にくれるのは公爵様の予定通り?)
応接室に通されて、豪華なソファーに俺達は座った。
「バンチャ、こちらがイノマクランの代表イノマ▪コウシン准男爵だ。続いてモノ▪ハッサ准男爵、オロ▪ボツラ准男爵、そちらがメイ騎士爵、シノブ騎士爵、コノハ騎士爵
そこの7人の騎士はシノブ騎士団の団員だ」
「新しいご主人方!私は執事のバンチャ」
「新しいご主人方、私はメイドのリンで御座います」
「新しいご主人方、私はメイドのミンで御座います、ご用は何でも命じて下さい」
一歩下がった所の初老の男が。
「新しいご主人方、私は厨房の料理人シェフと申します、ギルド酒場の料理人ボブの師匠であります」
「ギルド酒場の親父の師匠?食事が楽しみ!」
イノマが俺達より早く思いを告げた。
「勿体無いお言葉、腕に寄をかけ美味しい料理を出せるよう心掛け致します!」
「公爵様、こんな素敵な邸宅、本当に頂いて良いのですか?」
「イノマ准男爵はハンエイ町で、子爵に次ぐ位の貴族!当然住むに相応しい、気楽に受け取って欲しい、春になるまでにはコウシン町の男爵邸もイノマ准男爵が住むに相応しい建物にして置く」
「ではゆっくりしてくれ、儂は息子を叱って来る」
言い残し公爵様は御者と共に出て行かれた。
私達も全員外に出て見送ったが、いつ都合をつけたのか馬車に乗って行ってしまった。
さて、俺とオロはこの雰囲気に慣れて居るが、イノマ達は落ち着かない様子、イノマはメイドの勧めで風呂に行った。
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