第26話 ギルド飯
引き止める良い口実は……旨いギルド飯!!
思い付くと走り出していた。
俺は必死だ!オロがどうこう成るのは考え無しの自業自得だが、俺までとばっちり受けるのは御免だ!
僅か数十歩で追い付いた。
「公爵様!ハンエイギルドに来られて、ギルド飯を食べずでは勿体無いですよ!!」
「ギルド飯?旨いのか」
「公爵様の宮殿料理より劣るかも知れませんが、ギルド酒場の親父物凄く優秀な料理人です!!庶民料理を是非どうぞ!ご案内致します」
返事を待たず、公爵様に検討の余地が無い様に、背を向けてゆっくりギルド酒場に向かった。
ギルド酒場は昼食には遅く夕食には早すぎる時間、結構空いていた。
奥のテーブル3席を占領し、公爵様と俺にイノマとオロが座り、2席に5人ずつ座った。
シノブの席に、2名の騎士誰が座るかで少しもめて居るようだが、おれは親父に注文した。
「スープに串焼き肉14人!!」
ミルク煮込みのスープは絶品!甘辛味の串焼き肉も絶品!何気無い庶民料理に見えて、公爵様もおそらく絶賛されるだろう。
今の間にオロに言い聞かす!
「オロ!考えて見ろ!親に叱られる所をお前に見られたら、子爵様はどう思う?良い気分と思うか?考え無しで公爵様に着いて行くと、子爵様に全力で潰されるぞ!!」
「お?そうか?俺は公爵様の護衛のつもりでお供するのだが?」
オロは抜けた所はあるが、全くの考え無しでは無かった。
ハンエイ町、俺達は慣れた町だが完全に安全かと言われると、答えに迷う所はある。
保身にはしり、考え無しは俺の方だった。
やはりオロは俺の大切な相棒だ!
どちらも、どっこいどっこいの、考え無しの愚か者と思うぞ。
「モノ!イノマクラン全員で公爵様の護衛しましょう!子爵邸には入らず、外で待機すれば良い」
「スープ14串焼き肉14、お待ち!」
料理が来た。
「公爵様、このバスケットのパンは食べ放題ですよ!」
イノマ、ケチ臭い事公爵様に説明は要らんと思うぞ。
「そうか?遠慮無く頂く」
律儀に返答されて、公爵様は良い人だ。
「旨い!このスープは絶品だ!ん?この肉の味付けはどうやっている?旨いが、初めての味だ?少し甘味があり、塩味とも違うコクの有る塩からさだな」
お世辞で無く、公爵様が美味しそうにギルド飯を食されて居る。
「公爵様は、美味しいもの食べ慣れて居られるでしょうが、庶民の食堂も侮れ無いでしょう?」
「うむ、侮れんな!
そうだ!イノマ准男爵空き家を進呈する、クランホームにどうかな?」
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