第22話 冒険者も悪くない

 香りは旨そうだが、見た目が酷い料理に皆躊躇ちゅうちょしてる。

「「バツゲームかよ…」」

 見た目はまるでゲ○便だね、でも食べたら驚くって自信はある。

 オロとモノがブツブツ言いながら『カレェゾ』を口にした。

「……旨い!!これ凄く旨いぞ!!」

「見た目は酷いが、滅茶苦茶旨いな!!…辛ぁ!けど旨い」


 二人の反応に公爵様が『カレェゾ』を口にしてくれた。

「おぅ!!これは美味だ!大王様の『カレー』より旨いくらいだ!イノマさんでかした!!」

 公爵様の絶賛に、次々口にして皆旨いと驚いていた。


「知らなかった、カレーと言う料理に似てるのか……初の画期的調理開発したと思ったのに」

「いや!訳の分からん調味料を初めて使い、これ程の料理を作り上げたイノマはほこって良いぞ!!」

「あ、ありがとうございます!」

「間違いなく『カレェゾ』はコウシン町の名物料理になる!

 約束した褒賞だが、イノマとモノそれにオロを准男爵に叙す!!

 メイにシノブとコノハには騎士爵を叙す!!」


 公爵様自ら准男爵章を賜り、現実感の無いふわふわした時間が過ぎた。

「イノマ准男爵、家名はそなたの命名『コウシン』を名乗り、以後イノマ▪コウシン准男爵とせよ!

 モノとオロの家名はそれぞれ、ハッサとボツラを正式に名乗ると良いぞ」

「「あ、有り難く存じます!!」」


 冒険者は楽で無い、辛いとさえ思っていたが、冒険者で頑張って来たお陰で、夢にも思わなかった准男爵位をたまわる事が出来た。


 冒険者も悪くない!!

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