第21話 カレェゾ料理
4階層にダンジョンボスは居なかった。
「ボツラダンジョンは4階層で終りだね」
「公爵様、このダンジョン名、香辛料ダンジョンに改名しません?
町名もコウシン町にすれば商人や冒険者が集まると思います」
「イノマさん良いな!改名しよう!!
公爵様無茶振りするんだから……「いっちょやって遣りますか」
帰り道、罠にさえ気を付ければ今日1日は安全なはず、無茶振り料理を考えたながら歩いた。
「香辛料ダンジョンをアピールする料理なら、産出した香辛料全て使えば何か出来るでしょ、メイ達に手伝ってもらえば料理の試作繰り返せる」
乱暴な思い付きだが、後に大評判の料理が誕生する切っ掛けだった。
地上に出た。
旧騎士、現在謹慎中の平兵士21人の、兵舎の厨房を使い料理を始めた。
公爵様も何が出来るか気になるのか、厨房に着いて来た。
食堂では降格された平兵士達が、所在無さげにぼんやりしてる。
シノブとコノハが兵達の所に行き、一人ずつ話掛けてる。
兵士達は公爵様の手前邪険にも出来ず、素直に対応してる。
「公爵様!この7人は使える!隊長とこの二人はどうしようもないクズ!解雇しか無い!この11人は
「そんな事が分かるのか?」
「真実を見抜く、アサシンの秘術、心を読む」
実際は人が嘘をつくとき、なんらかの反応があり、アサシン技術はそれを感知するだけの単純な物だが、質問を工夫すると凄い効果を発揮する。
ダンジョンで先行する、シノブの凄さを実感したハンエイ公爵は、即元隊長と2名の兵に解雇通告した。
シノブが認めた7人は元の騎士に昇格し、公爵は7人をシノブの配下に置き冒険者兼務を命じた。
冒険者の凄さを目の当たりにし、イノマパーティーに惚れ込んだ公爵の先走りで、イノマパーティーは13人になり、イノマの知らない内にイノマクランになった。
イノマはメイとコノハに指示を与え、名物料理作りに奮闘していた。
蜂蜜と塩コショウでぶつ切り兎肉を煮込んで居る、その汁にすべての香辛料を
匂いだけなら旨そうだ。
入れた香辛料は、塩コショウに蜂蜜、バジルにローズマリー、ナツメグそれにニンニク、ウコン、コリャカライ(※コリアンダーと思って下さい)全て煮込んだ汁に、芋などの根菜を入れ更に煮込んだ。
ぶつ切り兎肉が柔らかくなり、根菜が煮えたころ仕上げに水とき小麦粉をかき混ぜなから投入、汁がドロリとなってかき混ぜるのにかなり抵抗がある。
匂いは凄く旨そうだが、見た目は黄色いドロリとしたシチュウになり不味そうに見える。
「失敗かな?」
イノマは呟きながら味見した。
「ん?旨い!旨いよこれ!…でもカレェゾ!」
料理名は『カレェゾ』に決定した。
「出来たか!……何とも言えんな」
見た目は黄色いドンヨリとした、まるで下○便だ、公爵様が引き気味だ。
「味見はした!旨かった(自信を持て!私)」
炊きたてご飯を皿に盛り、カレェゾを掛ける。
私達6人に公爵様、料理をしてる間にイノマパーティー入りした7人の騎士、14人の『カレェゾ』試食が始まった。
「「バツゲームかよ」」
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