第19話 2階層の罠はモンスターハウス

「ここで寝るのか?」

「1~2日はポップしないので、この部屋は安全です」

 塩にぎりと干し肉に乾燥果実を準備し。

「ダンジョン内の食事、粗末ですがどうぞ」

「ああ、有り難う」

 皆は適当に水で流し込む食べ方だが、公爵様の食べ方は上品に美味しそうに食べてくれた。


「公爵様この寝袋新品で御座います、お使い下さい」

「イノマさん、この寝袋儂が使ったら貴女は寝られなくなるだろう」

「安全と言っても、不寝番は必要です全員は寝ませんから、お気遣い無くお休み下さい」


(子供に見えるがイノマは、流石大王様から力を授かっただけは有るな、パーティーを確り取り仕切り気遣いの出来る良い娘だ。

 明日もこの調子で失態無くダンジョン調査出来たなら、国に対する貢献度的に准男爵を与えても良いか?)

 常駐騎士団があまりに酷かった為に、イノマ達に対するハンエイ公爵の評価は非常に良かった。


 こう言う所は流石公爵様、遠慮とか全くされず寝付きが良かった。

 イノマは、結構緊張して公爵様の相手をしていてホットした。


 当然何事も無く6時間程過ぎ、仮眠には十分じゅうぶんと思われたが公爵様が目を覚ますのを更に2時間待った。

 軽い朝食と思ったのに、公爵様が思いの外食べられて、アイテムボックスの塩にぎりが全て無くなった。


「これからの予定は、2階層を素早く攻略し最下層の5階を目指す!時間を無駄にする事無く今日中に攻略を終らせたい!」


 隊列はメイが予想外に優秀なので、後衛をメイ一人に任せ、コノハをシノブの補助に回した。


 暫くゴブリンを倒すのみで、アイテムの蜂蜜を回収しながら順調に進んでいた。

「イノマリーダー、隠し部屋!」

「隠し部屋なら、宝部屋?」

「いや、モンスターハウス」

「モンスターハウスなら、無視して行こう」

「オロ、大量にアイテム手に入れるチャンス!素通りは勿体無いよ!

 公爵様の護衛には私が着く、全員でゴブリンを殲滅して!


 全員部屋に入ったら、背後を襲われないよう壁に背を向け移動する!弱いゴブリンが相手、散開して互いが邪魔にならないよう戦う事!」


 シノブが壁を押し、隠し部屋に入って行った。

 シノブが孤立しないよう全員後を追う、私も内部の様子を見るため覗き込んだ、公爵様も気になるのか一緒に覗いてる。


 モンスターハウスは異空間になって居るようで、奥が見通せない広さのゴブリンの巣窟だった。


 見てると床に散乱した、アイテムの蜂蜜を踏みつけて戦ってる。

 ざっと見て2~300匹はゴブリンが居る、一人50匹倒さないといけない勘定、下を気にする余裕は無いか。


 300匹程居たゴブリンを、皆はたった10分程で殲滅したが、魔石と蜂蜜のアイテムを回収するのに20分も掛かった。

 蜂蜜は、親指の先位の薄膜の玉だ。

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