第17話 公爵様が同行したいと言った

「バカ息子が迷惑掛けて済まん!!大王様も『子爵の命令無しで勝手な行動出来んのは分かって居ながら、護衛の二人には辛く当たって済まん事をした』と仰って居られた」


 (ん?大王様とは、あのイリス様の事だよな?俺達無茶苦茶悪感情持たれたはずが、何か良い方向に誤解してくれてる?やっぱイノマは幸運の女神だな!!俺達に運が向いてる)


「………と、言う事で良いか?」

 ヤバ!!何も聞いて無い…返事のしようが無いぞ!

「パーティーリーダーのイノマの判断を聞いて、返事します」

「パーティーリーダー?モノ殿がリーダーじゃ無いのか?」


「公爵様の話を聞くだけで、紹介がまだでした。

 幼く見えますが、さるお方から力を授かったベテラン冒険者、金貨5000枚を瞬時に稼ぐ、パーティーリーダーのイノマです。

 こちらが相棒のオロ▪ボツラ。

 ゲンカイ村生まれの力持ち、メイ。

 優秀なアサシンのシノブとコノハ。

 以上6人がパーティーメンバーです」


「そうか、イノマさんは力を授かったのか!羨ましい……

 それで、騎士達にイノマパーティーの凄さを見せてやってはくれぬか?

 大勢では邪魔になるで有ろう、儂と騎士5人を同行させてくれ」


「イノマは言い難いだろうから、私が言っても言いですか?」

「何でも言ってくれ」

「私達冒険者は報酬で働きます。

 ダンジョンの罠の詳細報告の報酬は、上級冒険者に昇級です。

 公爵様の安全を確保しながらのダンジョン調査は難易度が上がります。

 不躾では有りますが、イノマパーティーが納得する報酬を提示して貰えませんか?」


「報酬は当然で有るな…罠の詳細をダンジョンマップに書き込めば、安全に資源を採取出来、貴重な香辛料が出回り、強いては国が潤う。

 見事達成したなら、イノマリーダーとオロとモノ3人に騎士爵を授与する!」

「3人で御座いますか?6人全員に報酬が無いなら、お断りします」

「そうで有ろうな、済まん!」(騎士爵章3個しか持って来て無い、困った)


 (えっ?それでは6人にと成らんのか?……欲をかいて全て台無しになった……失敗した!)


「公爵様、私達の働きを見て頂く為に、同行して下さい!

 その後、働きにみ合った報酬をお考え下さい!」

 イノマ!ナイスフォロー!!

「イノマさん、同行許可ありがとう!!同行騎士に準備させる!しば猶予ゆうよを下され!」


 騎士達の準備、モタモタしやがってダンジョンに入るのは明日になってしまった。




 イノマが米で晩飯に、塩にぎりを作ってくれた。

 これが食えたのは、騎士達のモタモタのお陰か?

「炊きたての熱々の塩にぎり、旨い!!」

「家畜の餌とは思えん、旨い!!」

「私はゲンカイ村で、これのお粥が毎日のご飯でした」

「メイは旨い物食って居たんだな」

「お粥は不味かったです、こんなに美味しく無かったです」


「儂にも1つ貰えんか?」

「公爵様が食べるような物では御座いません!下践な食べ物です!」

「騎士団長、大王様が広めて居る米が下践か!!」

 騎士達全員、青ざめて居た。

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