第10話 ダンジョンで大儲け

 よく斬れる剣を振るのは楽しい。

 今まで安物のナイフでゴブリンを苦労して倒していたが、嘘みたいにサクサク倒せる。

 15か20匹居れば良いところが、雪で入る者が居ないせいか35匹ゴブリンを倒し、魔石35個に魔鉄35個手に入れた。


「え~と魔石1個銅貨5枚だから35個で…175枚って事は金貨1枚銀貨7枚銅貨5枚!!凄い!3人で分けても銀貨5枚銅貨8枚?魔鉄は銀貨5枚だったから銀貨175枚は金貨17枚銀貨5枚それを3人で分けると……金貨5枚銀貨8枚銅貨は3枚かな」

(魔石の金額合わせると、一人金貨6枚に銀貨4枚?もう帰って良いくらい稼げた!流石ダンジョン!)

地道な貧乏冒険者暮らしが続き、金銭勘定は非常に優れてるイノマだった。


「ゴブリン全滅させたから、2日は涌いて来ないゴブリンソルジャー倒して2階層に降りる?3時間寝かせてあげたから二人起こすか?」


 少々揺すった位じゃ起きん。

 ナイフと剛剣をチャンチャン打ち鳴らすと、流石元貴族の衛兵、サッと身構えた。

「二人が寝てる間に1階層は踏破したよ!魔石に魔鉄35個ずつ手に入れた!後ボス部屋のゴブリンソルジャーを倒し2階層に降りるよ!」


「おぅ!イノマは予想以上に役に立つ!ヒジョーシキは良いパーティーになった!」

「うんうん!もっと誉めて良いよ!」


 2階層にホーンラビ30匹しか居なかった。

 アルミラージュを瞬殺して3階層では、オークのみ10頭討伐しダンジョンボスがオーク3頭で計13頭倒し4階層はオーク20頭しか居なかった。

「5階層のウッドゴーレムは剣で倒せるよ!ダンジョンボスのストーンゴーレムは無理だけど、降りて見る?」


「行ける所まで行って見よう!」

「さるお方は、このダンジョンの異常繁殖で溢れ出すのを押さえて上級冒険者になられたそうだよ」

「そうか?猿の人は上級冒険者か?」

「違うよ!その後盗賊壊滅させたりで、特級冒険者だよ」


「ウッドゴーレム居ないな!」

「これはもしかすると…ヤッパ!ラッキー!!」

 扉の前に守る様に二体のウッドゴーレムが居た。

「これを倒すと凄い事になるよ!!私達凄くツイてる!!」

 さるお方が、異常繁殖を押さえた時と同じ現象に気付いたイノマは、ワクワクしながら見ていた。


 鬱憤晴うっぷんはらしと、ばかりにオロとモノが超剣で2体のウッドゴーレムをバラバラに砕いて倒した。

「ヤッパ出た!!ミスリル入のアイテムボックス!一個は私が貰うね!オロもモノもマジックバッグ持ってるから」

「それで良いが、魔鉄はゴウケン武器屋に全てやる事になってる」

「えぇ!ゴブリン魔鉄は一個銀貨5枚だけど、オーク魔鉄一個金貨7枚だよ!それが33個だと金貨231枚だよ!!」

「暖かくなってまた来れば良い、今回は魔鉄全て武器屋にやる!」




 ギルドに帰って精算して、ケチ臭い話がぶっ飛ぶ事になった。


 ギルドに帰ると即、ギルマスに呼ばれた。

 買い取りカウンターに魔石全てと、ミスリル10㎏を置いてギルマス室に入った。

「おっ、帰って来たか!まずイノマ初級1等から中級2等に昇級させる!」

「えぇ!!いきなり中級2等ですか?」

「ギルドの手違いで昇級が遅れて済まん事をした」


 買い取り主任が入って来た。

「ギュンタさん!凄い事になりました!買い取り明細書です」

 明細書を一目見てギルマスが大声をあげた。

「何だと!ミスリル10㎏だと!!」


 魔石買い取りゴブリン魔石35個、ホーンラビ魔石30個、オーク魔石33個、計金貨19枚銀貨7枚銅貨5枚。


 明細書、ここまでは良いが。


 ミスリル10㎏買い取り金貨5000枚。


「「「金貨5000枚!!!」」」


「イノマは幸運の女神だな!」

「運の無い俺達に、幸運を運んで来た女神だ!!」


 俺達の前途は明るい!!

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