第7話 新しい仲間


「大丈夫ですよ、中級冒険者は自由に入って良いです、罠の無いダンジョンですので難易度低いですが、今は道が雪で閉ざされダンジョンに行くのに1日がかり、ダンジョン内で野営できる装備を持参して下さい」

 受付嬢のヨミちゃんは、丁寧で可愛くて愛想が良い、女性にモテた事が無い俺達惚れそうだぞ。


「あのぅ……迷いの森ダンジョンに、お供させて頂けませんか?私料理得意です野営に便利ですよ」

 何か、ちっちゃい女の子が話掛けてきた。



 俺達は今ギルド酒場で面接中だ、もう少し大人の女性なら即採用なのだが、如何いかんせん子供過ぎる。

「私、さるお方と暫く行動を共にしたのよ!」

 無い胸を反らして少女が言った。

(又々猿かよ!それも暫く一緒に居たとか)


 少女の話では、先輩中級冒険者のお姉さんに見習い同行させて貰い、商隊の護衛任務中盗賊に襲われイズとレノマと言う先輩二人は盗賊に殺され少女イノマは捕虜になった。

 その直後さるお方に救助され、王都まで背負って貰い10日程で盗賊団全滅させながら王都に着いたそうだ。

 さるお方は国王に謁見するとかで別れたそうだが、別れてから何か力が湧いて来るようで、ソロで冒険者やって来たが初級冒険者は制限が多く活動しにくく、仲間を探して居たそうだ。


 長い説明中、チャッカリ串焼き肉にスープを俺達と一緒に食ってた。

 勿論この程度はおごってやったぞ。


 イノマが仲間になった。

 あれ?仲間にすると言ったっけ?

 カウンター(ヨミちゃんの所)に引っ張って行かれ(無茶苦茶力が強い)パーティー手続き済ませてしまった。

 パーティー名は『ヒジョーシキ』うんうん「非情な4人の鬼」か!もう一人パーティーメンバー入れないと。


 違うのは知ってる!猿の人と同じ俺達は非常識が通り名になってしまった。

 二人は気付いて居ないが、イノマと同じでさるお方との触れ合いで力が付いた事を、そうで無ければ雪の街道を2日凍死しないで歩き通せるはずが無かった。


「お兄さん方!イノマ初級1等冒険者です!宜しくお願いします!」

「俺はオロ中級2等だ」

「俺はモノ中級2等だ、イノマちゃん一つ質問だが本当に12歳か?」

「この前13歳になったよ」

「「見えねぇ!年齢詐称して無い?」」

「ギルドの年齢鑑定通ったから間違い無いよ、たぶん…」


イノマは孤児だったので、正式な誕生日を知らないそうだが、冒険者ギルドの年齢判定は12歳の年齢前後、日数まで細かく判定出来るとかで、鑑定が通ったなら間違いはない。

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