第6話 メイン武器を買う

「非常識コンビ、その剣で魔物は討伐出来んはずだ…さるお方は手製のこん棒でビッグボア倒されたが」

 また猿の人の話か、どんだけ凄い猿だ?


 ギルドマスターが言うには、俺達の剣は対人特化の武器で素早く振れ扱い易いが威力が無い、と説明された。

 ビッグボアやクレイジーベアの様な、大型で硬い毛皮の魔物を討伐するなら、それなりの武器が必要だそうだ。


 成る程、1時間必死に斬り続けないと倒せなかったのは剣の性能のためか。


 という事で、冒険者ギルドの向かいにある武器屋に来ている、無愛想な親父がギロリと睨んで来た。

「ギルドマスターに、ビッグボアやクレイジーベアを討伐出来る武器を買えと言われて買いに来た」


「……お前さんらが、噂の非常識コンビか…」

 親父はぶつぶつ良いながら、俺達の身長よりデカイオバケ剣を二振りカウンターに置いた。

「それを振ってみろ」


「おっ?意外に軽いぞ」

「本当だ、こんな見た目だが振り易い、バランスの良い剣だ」


(非常識コンビも化け物だったか)

「お前さん達を見てると、さるお方を思い出す」

(また猿か?どんだけ有名な猿だ?)


「非常識コンビも、登録からたった3日で中級2等になったそうだな?さるお方そっくりだ!お前さん達直ぐに上級冒険者になりそうだ!先行投資だ持って行け!使わん時はそのアイテムボックスに入れて置け」


「何だ?あの親父」

無料ただより高い物はないと、死んだ親父が良く言ってた…無料の代価は定価の何倍にもなるそうだ」

「金で無い何か礼を考えんと、金を取ってくれた方が面倒無くて良かったのに」

「ダンジョンにでも入るか?たしか魔鉄がアイテムだった」

「モノ、酒場の情報か?」

「ああ、良い稼ぎになるそうだ」

「武器屋の親父に持って行けば、魔鉄なら金貨以上のお礼になるな」


 二人は迷いの森ダンジョンの調査をした、勿論もちろんギルド酒場で。


「迷いの森ダンジョン1階層はゴブリンで2階層はホーンラビ3階層はオークがまばらに出る混合で4階層はオーク5階層はウッドゴーレム、ボス部屋でボスを倒して次の階層に降りるタイプのダンジョンだ」

「2階層までは今までの剣を使った方が優位に行けるな」


「雪道で、ダンジョンまで1日かかると言ってた、これから行くか?どっちにしてもダンジョンで1拍になるらしい」

「夜の雪道は止めたい」


「ダンジョンに入る許可とか資格がいるかも、ヨミちゃんに聞いた方が良いかも」

雪道を歩いた嫌な記憶がよみがえり、躊躇ちゅうちょする二人だった。

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