第5話 中級2等に昇進だ!

「お前達を見てると、冒険者登録に来るついでにビッグボアを狩って来た、さるお方を思い出す!」

(何か凄い人が居たんだな)

「お前達も、あっと言う間に上級冒険者になりそうだ」

(いや、それはないない!)

「ビッグボアを狩って担いで帰るお前達は、中級2等に昇進させる!もう何でも良い好きに狩って来い!」


 俺達のタグが銅の二本線に変わった。


 ノックして買い取り主任が入って来た。

 依頼達成金が金貨13枚に、残りの買い取り金が金貨5枚。

 ビッグボアが毛皮傷が着いてたとかで金貨10枚、牙4本金貨40枚、魔石金貨50枚、肉金貨50枚、合計金貨150枚。

 ワーウルフ2頭の、皮牙魔石の合計金貨50枚。


 全ての合計、金貨218枚になった。


「お前達マジックバッグ買う気は無いか?30立方㍍の大拡張、二つで金貨100枚にしてやる。オークやビッグボアも収納出来るぞ」

「「買った!」」

(マジックバッグが1個金貨50枚は安い!高難易度ダンジョンのアイテムとして希に出る事があるとか、普通では手に入らない貴重品だ)


「あっと言う間に上級冒険者になられた、さるお方のげんかつぐ意味で泊まられた部屋を貸してやるから、ギルド酒場で宿泊するな!二日連続で酒場で寝るなと苦情が来た」


「今日も酒場で寝るつもりだった、助かる」

「お前ら本当非常識コンビだな」


 受付嬢ヨミちゃんに案内して貰った職員宿舎はベッドが3つあるだけの粗末な部屋だった。

「オロ?粗末な部屋と思っただろ?ベッドで眠れるだけ有り難いと思わんとダメだ!ギルドマスターの好意だぞ」

「そうだな、俺達ギルドに随分助けられた、感謝しないと…で、今日も酒場で飯食ってブドウ酒飲むか?」

「おう!飯はどうでも良いが、串焼き肉でチョッと高級ブドウ酒飲むぞ!」



「串焼き肉4本にチョッと高級ブドウ酒2本」


「串4チョイ高級酒2おまち!」

 この酒場の良い所は、バスケットのパンが無料食べ放題って所だ。

「じゃ、今日の成果と俺達の未来に乾杯!」

「乾杯!」

 1日の成果とすれば驚異的な結果で、上級冒険者並の働きだった。

 それが高級ブドウ酒で無く、チョッと高級ブドウ酒と言う所が、生まれは貴族だが貧乏な育ちの二人の情けなくも、哀愁漂う姿だった。





「こら!!非常識コンビいい加減にしろ!!職員宿舎貸して貰っただろ!帰って寝んか!!さっさと起きて帰れ!」

 また突っ伏して寝てたようだ、酒場のオヤジに叩き起こされた。

「オヤジ悪かった酒場居心地が良くて」

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