第4話 どうやって持って帰る?
中級3等になった俺とオロは、オーク討伐依頼を眺めて吟味してる。
同じオークの討伐依頼でも、牙の依頼や肉の依頼皮の依頼など、それぞれ依頼料が違うのだが、複数依頼を受けると一頭討伐しただけで牙も肉も皮も依頼達成出来る美味しい仕事になる。
オークの依頼料は銀貨3枚から金貨5枚まで素材料別で、欲しい量や品質の要望で依頼料は大幅に変わる。
今日は、オーク新鮮な肉500㎏依頼料金貨5枚、牙美品2本依頼料金貨3枚、無傷皮2頭分依頼料金貨5枚を受ける事にした。
全て素材料込みだが、金貨13枚の依頼だ。
「美品や無傷、新鮮とかの注文付きは、冒険者が嫌がり受注されない事が多い、面倒だもんな」
「これ2頭討伐しないと、依頼達成出来んぞ」
「何とかなるだろ、1頭ずつ担いで帰れば良い」
依頼を3枚受けて、迷いの森に向かった。
「おっ!居たぞ」
オロが脚を斬り、倒れる所をモノが首を斬る。
「昨日より簡単に倒せたな」
「俺達中級冒険者だからな!当然だビッグボアでも倒せるぞ!」
調子に乗って言わなきゃ良いものを、
「オロが詰まらん事言うから出たじゃ無いか!」
「うおーーっ!!」
オロは掛け声を上げ、前足を攻撃してる。
一撃ではビッグボアの突進が少し弱っただけ、空かさず俺も前足を斬り、やっとつんのめったビッグボアの頭をオロが斬り付けた。
俺も直ぐに加わり頭を交互に斬り付けた。
何度剣を打ち付けたか、1時間は斬り続けたようだ。
やっとビッグボアが動かなくなった。
必死で握った剣が手から離れん。
「指が開かん!」
「盗賊を初めて斬り殺した時以来だな」
二人仰向けに倒れ、ゼイゼイ肩で息をしてる。
呼吸が調ったころ剣から手が離れたが、まだ手が言うことを聞かん自分の手で無いみたいだ。
「疲れたが、オークをもう1頭狩らんと依頼達成出来んぞ」
「普通のオーク狩りの依頼にしときゃ良かったな」
「もう少し休みたいが、オークが来たぞ!」
ビッグボアには手こずったが、オークは簡単に倒せた。
オーク2頭とビッグボアを眺めてる。
狩りの達成感の余韻に浸ってる訳じゃ無い!
「どうやって持って帰る?」
「オークの皮に傷が付かんように担ぐ、ビッグボアの前足を左右から掴んで引きずって帰るしか無い!放置して帰るのは論外!!」
と言う事でオークを担ぎ、俺はビッグボアの右足を掴み、オロは左足を掴み引きずって帰ってる。
こんな時に限って血の臭いに引き寄せられたか、ワーウルフが2頭襲って来た。
ビッグボアを離しオークを放り投げ、襲って来たワーウルフの動きを止めて首を斬った。
オロも同じ動きでワーウルフを倒してた。
「グラスウルフなら捨てて帰るが、ワーウルフじゃ捨てる訳に行かん」
考えた!真剣に考えた結果、ワーウルフの前足を縛りオークの首に掛けた。
この状態のオークを担ぎ、ビッグボアを掴んで引きずって帰った。
結構キツイ、ギリギリの状態だ、迂闊に休むと動くのが嫌になる、少しずつ前に進む、限り無くギルドが遠く感じる。
「おう!オロさんにモノさん!凄っごい大猟ですね!」
門番が驚き半分呆れ半分で話掛けて来るのを無視して進む。
「今日もすげぇ!」
「おじさん達すげぇ!格好良い!」
今日も子供達に大人気の二人だった。
「おい!非常識コンビ!何をどうすればそんなの持って帰れる?」
依頼は達成で問題無いはずなのに、またギルマスに呼びつけられた。
「昨日は薬草採取のついでにオークを狩って、今日はオーク狩りのついでにビッグボアとワーウルフを狩ってくる!お前達はギルドランクを舐めとんのか!!オーク2頭にワーウルフ2頭それにビッグボアを担いで帰れるか!この非常識コンビめ!!」
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