1章 冒険者も悪くない

第2話 迷いの森

 もう少しダンジョン寄りに行かないと、ゴブリンのテリトリーでは無い。

 適当に森に入る二人だった。


「新兵の時、対魔物戦の訓練でよく来たな」

「最初はゴブリンが不気味でビビったよな…おっ!薬草が有ったぞ」

 上手く群生場所を見付け、依頼以上に採取できた。

 薬草採取依頼の依頼料は銅貨5枚と薬草代で銀貨1枚になる、依頼以上の薬草はギルドが1本銅貨1枚で買い取ってくれる。

「銀貨1枚と銅貨5枚になったな」

「金貨じゃ無く銀貨って所が情けないな」


「これが今の俺達の仕事だ!体力だけは異常にある俺達!バリバリ掛け持ち裏技やって、コツコツ稼ぐしか無い!」

「後はゴブリンを見付けて討伐か、10匹討伐すれば銀貨5枚になるな」

「早く初級1等になって、依頼料の入る討伐依頼受けられるようになりたいもんだ」


「ゴブリン居ないな」

「居ないな!」

 ※ゴブリンのテリトリーじゃ無いので、居ないのは当然です。


 ゴブリンは居ないが、薬草が12本追加で採取できて二人は結構満足した。

「薬草20本の依頼も受けて置けば良かったな」

「明日は複数の依頼を受けて来るか」


 ゴブリンはもう少しダンジョン寄りの所に生息する、この辺りの深部はオークの生息地なのだが、相変わらず肝心な所が抜けてる愚か者コンビだった。


「お、おい!デッカイあれはオーク!!」

「静かに!気付かれて無い!撤退するぞ!」

 二人はオークから目を離さず、少しずつ後ずさるが、当然のお約束、枯れ枝を踏んでしまった。


 ボキッ


オークの鼻息が聞こえる静寂の中、ドキッとする程辺りに音が響いた。

「フゴッ?」

「気付かれた!しょうが無い戦うぞ!脚を狙え!!」

 素早く前進し、左右からオークの脚を狙い斬り付けた。


 予想外深く両足に傷を負わせたオークは、どっと倒れた。

「頭を狙え!」

 思わず叫んだ俺の声に、無意識なのかオロがオークの頭に斬りかかった。

 俺とオロは交互にザクザク繰り返し剣を打ち下ろした。


 必死で斬り付けて、気付けばズタズタの頭をしたオークの死骸が転がっていた。

 荒い息を落ち着かせるのに時間が過ぎ、落ち着くと重大な事に思い至った。


「モノは解体出来るか?」

「出来る訳が無い!」

「だよな…ゴブリン魔石は取り出せるが、オークは肉に牙皮も金になる」

「どうする?魔石だけ取り出すか?オーク魔石は銀貨5枚!後は捨てて帰るか?」

 と言いながらモノはオークを持ち上げた。

「モノ?何で持てる?」

「何か知らんが持てた」


 二人で担いで帰る事になった。

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