第8話 みんなと楽しくダンジョン攻略

未来は、朝起きて用意をしてダンジョンの前で待ち合わせていると、2人も時間ギリギリで到着した。そして、作戦会議を少しだけした。まだこの2人はダンジョンの階層主と戦うにはまだ達していない。そのため、補強が必要になってくる。


今回は、ダンジョンは2人がギリギリ突破できる8階層くらいまでにしていこうと思っていた。もちろん。2人もその提案には賛成で、自分の適性レベルを上げてから10階層の階層主に挑む手筈を立てた。


まずは、育成段階だと未来は思っていたので、2人には数多くの魔物を討伐してもらうことから始めていこうと考えている。2人の戦力なら2人合わせても10階層の階層主には到達できないからだ。


それに加えてルイは、装備にまだ慣れていないという面でもまだ危ないだろう。装備に慣れてからでないと本格的な階層主討伐には参加させられない。そのため、できるだけ魔物を討伐することを優先的にやってほしかった。


ダンテに至ってもまだ連携みたいなことはできないので、ダンジョンで戦う陣形に慣れてもらわなければならない。そのため、まずはルイと一緒に連携を組んで戦ってもらうことを優先しなければならない。


未来は、そのことを伝えると「じゃあ行こうか」と言ってダンジョンの中に入っていった。そして、2人も続いて入っていった。


まずは、1階層から5階層までは魔物の経験値も少ないので、無駄な体力を使わないためにパスをした。そして、6階層からは本腰を入れて階層主討伐のために魔物討伐に励んだ。


ここら辺まで来るとどうしても苦戦してしまう2人。ただバックにいるのは未来である。2人は安心して討伐に専念できる。未来は、ほとんど何もせずにただ見ているだけだった。


ただまずいと思った時は、回復魔法や支援魔法を使っていた。そういった後方支援的な役割が未来の役割となっていた。これは2人にも話しておいたことで2人からは了承を得ていたからである。


しかし、ほとんど6階層くらいではもたつくことはなく、20体近くを討伐してから7階層に移動して討伐を再開した。ここではゴブリンやワーム系の魔物を倒していく作戦を立てていたので、その計画通りにことを進めていった。


ここでも20体ぐらい倒してから次の階層へ向かった。8階層目では、ゴブリンのちょっと強くなったものや吸血こうもりなどが生息していたので、戦い方を学ぶという意味で討伐を開始。


ここでは結構苦戦を強いられていた。多少魔力を削られるくらいには、魔力を使ったが1日目で8階層まで行けるとは、未来は思っていなかった。そして、未来のサポートをなしで8階層まで来れるとは思っていなかった。


おそらく2人は、そこそこの適性レベルを持っていたんだと思っていた。そのため、次は未来は最低限の後方支援をしてどれだけやれるか見ようと考えていた。そして。3時間ダンジョンに潜った時点で2人が疲れが出始めたため、ダンジョンを出ることにした。


初めての本格的なダンジョン探索でここまでできる冒険者は、ほぼいないだろう。そのことを2人に伝えてねぎらった。ダンジョンを出るまでは気を緩めることはできない。


7階層と6階層で魔物と遭遇してしまい、魔物を倒しながら進んだ。2人は疲れているので、この役目は未来が1人で魔物を討伐していった。2人は、未来を見て凄いと思った。


前から思ってはいたが、戦闘を生で見ると感じるものがあったのだ。2人は、顔を合わせ未来に肩を並べられるように上級職になることを心に誓ったのであった。


ダンジョンから引き上げた時、未来はあることを告げた。


「明日は、最低限の後方支援しかしないので2人の連携で戦ってみて。」


2人は顔を合わせて「無理だよ」と嘆いていた。今日の時点でもボロボロで未来の回復魔法がなかったらもしかしたらということがあったかもしれなかった。


でも2人は、さっき誓ったことを思い出して決意を固めた。


「やってみる」


未来はその返事を聞いて、この2人なら大丈夫だなと思った。そして、次の日もその次の日もダンジョンの魔物を討伐して、1カ月を過ぎて目に見える成果というものがあった。


2人が連携して8階層の魔物を危なげなく、倒していけるようになってきたのである。


この調子なら9階層の魔物もほとんど危なげなく倒せるのではないかという勢いだった。未来は、2人に言った。


「明日からは9階層で戦ってみる?」


2人からはやってみたいという返事をもらった。


「まずは装備品の手入れとレベルアップだね。ダンテお願いできますか?」


ダンテは了解と言い作業にとりかかった。ダンジョンの中での作業である。初めてダンジョンの中でダンテが作業をしているのを見て、未来は凄いと思った。これができることがどれだけ凄いことか未来は分かっている。


未来は、旅の途中でポーションなどを作った経験があるが、武器の打ち直しなどを道具を駆使してやったことはない。ポーションを作るのさえ怪しかったくらいだった。


打ち直してレベルアップさせるのに大体1時間を要した。その間未来とルイはダンテを守っていた。レベルアップさせた武器を使ってダンジョンの階層を上がっていく。ルイはほとんど無傷で魔物を討伐して階層を上がっていく。


ダンテもほとんどダメージを受けることなく、階層を駆け上がっていく。ダンジョンを抜けた時、ルイとダンテは、満足気に今日のことを思い出していた。8階層でまともにダメージを受けずに帰ってこれたのである。


それは、初めてのことだった。ダンジョンに潜り始めて2週間は、ほぼ未来の回復魔法がなかったら詰んでいたといってもいいかもしれない。今は、相当成長したんだなと本人達も実感していた。


未来が、言った


「明日からは9階層に行くけど大丈夫?」


2人は言った


「もちろん」


未来は、2人が成長した姿を見て笑みを浮かべるのであった。

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ファンタジー小説を書いていたらその世界に転生してしまった件 優希 @kagura-ichi

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