第7話 新たな仲間
ギルトで生産職で鑑定スキルを持った人を募集して、数日その間もダンジョンに潜って採取や魔物からのドロップ素材で防具やポーションなどダンジョン攻略に必要なものを揃えていった。
そう簡単に、鑑定スキルを持った生産職など見つからないと分かっていた。なぜかというと、大体の生産職はダンジョンには潜らずに、お店を構えているからだ。その中でもダンジョンに潜る生産職など一握りしかいない。
それが分かっていながら、必要なので募集をかけた。募集して2週間が過ぎた時、やっと応募があった。生産職でありながら、戦闘スキルも持っている優秀なヒューマンだった。
自分で作った武器や防具でダンジョンに潜って、適正を上げていた。そのため、スキルも鍛冶スキルはもちろんのこと、剣などの扱いにも長けた生産職だった。名前はダンテ。女性の生産職である。
女性でありながら、好戦的な性格を持っていて生産職だけではどうにも物足りずに、ダンジョンに潜って戦闘スキルを上げていたようだ。もちろん。未来は採用を決めた。ルイも未来に同調を示した。
「私は、ダンテ。生産職だが戦闘もできる。よろしくな。」
「よろしくお願いします。」
「私以外も女なんだな。ここは女しか採用していないのか?」
「誰が女だ。俺は男だ。かなり女と間違われることは多いが。」
ダンテは、ルイの気にしていることに触れてしまったことに気づき、お詫びを入れる。ルイもルイでここは大人な対応だった。全く気にしていないという対応をして気を遣わせないようにしたのである。
ルイとダンテはよろしくと握手をした。
そして、明日からの行動について3人で話し合った。主にどのくらいの階層まで潜るかということである。ダンテは、お店があるわけではないので、いつでも同行可能である。
後に知ったことだが、ダンテはダンジョンの中でも生産職としての能力を発揮できるということだった。魔物に襲われていない状況なら、剣を作ったり杖を作ったりすることは道具さえあればできる。
ダンテは相当普通なら重宝されているはずだが、性格面でぶつかることが多く、それで他のパーティーからは敬遠されていた。これだけ気が強ければ当然に誰かとはぶつかってしまう。
でも未来のパーティーは、そういったことも気にしていなかった。ぶつかったらぶつかったでその時に対処すればいいというスタンスである。それよりも生産職が同行してくれた方が効率がいいため、そっちの方が優先された。
明日からのスケジュールは魔物を倒して、全体的な適正向上を目的に設定した。そして、レベルアップした状態でダンジョンの主に挑み討伐することを最終目標にする。ここのダンジョンは、10階層しかなく、主は10階層にいる。
未来1人でも十分討伐できるレベルではあるが、全員で討伐するからこそ意味があるということで、未来は支援や弱い攻撃魔法でいくことを全員に伝えた。
「今回の討伐は、私は少し手を抜いてもいい?」
「なんで?未来が大火力魔法をぶっ放せば一発でしょ」とルイ。
「それじゃあこのパーティーの意味がなくなちゃうじゃん。みんなで一緒に倒して成長できるから嬉しいんじゃん。」
「確かにそうだな」
「じゃあ危なくなった時は頼っていいか?」
「もちろん。」
「ダンテも討伐に参加できるなら、好きなだけ暴れてきていいよ。」
「本当か?」
ダンテは笑みを浮かべてそう答えた。
「もちろん。ただルイもいるからルイと連携を取れる形でね。」
「分かった。」
ダンテは戦いに参加していいということで上機嫌だったため素直だった。
「明日からはみんなでレベル上げだ。」
「もう夜も深くなってきたから解散するか。」
「私は、自分の宿に戻るわ」とダンテは自分が泊まっている宿に帰っていった。
ダンテとは、ダンジョンの前で待ち合わせにしてある。
未来は明日からのダンジョン攻略が楽しみ過ぎてならなかったが、疲れが溜まっていてベットに寝転んですぐに眠りに落ちていった。
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