第二話 綺麗で強い、光ってるみたい。
「
弟に案内され、川の深いところに、ざぶ、と膝を進めると、たしかに川上から、色白の十歳くらいの
迷いなく、川の深いところに飛び込む。
後ろから、弟も、飛び込んだのを確認した。
「
仲間たちが声援をくれる。
あたしは水をかき、流れてくる
弟も追いつき、二人がかりで、
「げほっ、げほっ、うわーん!!」
色白で、ぽっちゃりした体型の十歳くらいの
元気だ。そんなに長い時間流されたわけではないようだ。良かった。
「もう大丈夫。」
「お姉ちゃんが助けてくれたの……?」
くりっとした目の、愛嬌のある顔立ちの
「ありがとうぅ───!」
と、その
「おっと。」
膝に乗った童は、ぽちゃぽちゃ全身に肉がついてて、なんだか柔らかい。
郷では見ない体型だ。
どこの
「そろそろ姉ちゃんから離れろ。」
いつまでも抱きついて離れない
「いいよ。怖い思いをしたね? 名前は?」
「
「ん……?!」
周囲がざわついた。
その郷長の上には、いくつもの郷を取りまとめる豪族がいて、
「若さまぁ〜!
川上の方向から、わりと良い衣を着た
膝上にのった
「お姉ちゃん、名前は?」
「
「
金弓がうっとりと言った。
「は?」
「
「はああ〜っ?!」
金弓がさらに、ぎゅう、と抱きつく。
「無理。あたし、
郷長より、豪族より偉い、大豪族の屋敷の女官だ。
「え───!!」
金弓は大きく叫び、やっと来た付き人が、あたしから金弓を引き剥がしてくれた。
皆がおこしてくれた火にあたりながら話を聞くと、
それが、金弓と、
* * *
翌日、
「えへへ……、
ませた事に、木彫りの
「はあっ? いらね……。」
「ぅありがとうございまーす。
と、さっさと母刀自に押し付けた。
「ああっ! つ、つけてくれないの? よ、喜んでくれないの??」
金弓が、口を大きくあけて、ぷるぷる震えながらのけぞった。
(ちっ! 押し付けがましい。)
「あたしは
丁寧に礼の姿勢までとってやった。
「うわあああん!」
金弓は泣きべそをかいて、自分の家人の方に逃げていった。
* * *
それでも金弓は、五日に一回、
「
と、阿部の屋敷でないのを良いことに、金弓がなにかと
「あほ!」
「
「うちの
と、とくに弟が先頭に立って、抱きつくのを阻止するようになった。
金弓はむくれた顔をしたが、皆が
頭首をはるには、実力がなければならない。それを示すために、
「
金弓がうっとりと、連戦に息を弾ませる
「あん? 来るか? 誰でも、あたしに勝負を申し込んで良いんだよ……。」
と
「姉ちゃん、そのような凄まじい
弟がつぶやくが、
「………。」
金弓は、
結果。
こてんぱんにした。
「わああああん!」
金弓は泣きべそをかいて、お付きの
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