7話 水と油

「なんだ。ナザリックか」




「はは、なんだとは失礼な物言いだな〜」




 笑いながら僕の肩をどついてきた。




 この男はナザリック。こいつもイケメン。ナザリックのギルドは僕たちと並ぶくらい強くて有名だ。

 ナザリックのギルドは所属しているメンバーの数ではうちのギルドは負けてるな。




「おいおい、また仮面野郎かよー」




 また僕たちのところに男がやってきた。



 確か名前はパ、パ、パ……




「あ〜、覚えてるよ確かパンツくんでしたっけ?」




「パンズだ!!」




 もう似てるからどっちでもいいじゃん。




「相変わらずダッセェ〜見た目してんな〜こんなんがマスターなら俺様の方が『冥き儚い祈りニルヴァーナ』のリーダーに相応しいんじゃないか〜」




 ニタニタ自慢げにそう言う……なんだっけ? バンズ。このセリフを聞くのも何回目か分からない。彼のギルド『黄金の鷲ゴールド・レイブンクロー』は有名な筈なのになにかと僕のギルドの功績が気に入らないんだろうある時から傘下に入れだのお前じゃメンバーを扱いきれないから寄越せだの言ってくるようになった。



 ギルドをやめたいと思ってる僕だけど、流石にこんなこと言ってくるやつに大事な大事なメンバーを預けることが出来ない。



 そんな気持ちも知らず今度はニターと笑いメンバーに話しかける


「アリエル、フェルミ。いい加減覚悟を決めて俺たちのギルドに来たらどうだ? 他の女の子も大歓迎だ。あっ、あの男どもはいらんがな」




「い、嫌です!」




「お断りします」




「チッ……」




 このやりとりも毎回のお約束。


 


 今回も断られて苦虫を噛み潰したような顔をしているバンズ。


 はん、ざまぁみろ。うちのメンバーはそんな安っぽい誘いにのらないんだよ。バロー




「くそぉ……。あ? つか、お前。その仮面なんのためにしてるんだ?」




 バンズはイライラした様子で僕の仮面を指してきた。どうやら矛先を僕に向けてきたようだ。




「個人の自由だよ」




「はぁ? 自由? そんな仮面をつけるなんてセンスねぇな。それとも仮面外したらめっちゃブサイク的な?」




「……!」




 パンティーくんが鋭い。


 そのままうざい絡み方をしてきた。




「おい。試しに仮面外せよ」




「お断りします」




「あぁ? クソガキが」




 フェルと同じセリフを言ったのにこの対応。酷い。ひどいよバンズ。




「そこまでにしてもらえませんか?」




 無理やり仮面を取ろうとするバンズに向けてフェルミが言う。心なしか怒ってる気がする。




「あぁ? こいつがムカつくから仕方ないだろっ!」




 バキィィィッッッ!!!



 なになにこの音!僕なんもしてないんだけど!!


 音がしたであろう後ろの方を振り向くとリミが超不機嫌な感じを全開で足元の床がそこそこへこんでいた。


 

 「ギルマスもみんなも〜そんなゴミはほっといた方がいいよ〜。ね、ギルマスもそう思うでしょ?」

 


「ううう、うん。僕もそう思う」


 

「あん? 誰だおめぇ……おお、リミじゃね〜か久しぶりだな!」


 ――やべぇ、リミとバンズの組み合わせは駄目だ、なにか起こる

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【改正版】クソ雑魚ナメクジなワイ何故か最強ギルドのマスターになっていた…………いや、なんで!? リト @123456113344667799

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