月を待つ僕をよぶのか夕時雨

※つきをまつ ぼくをよぶのか ゆうしぐれ


「あ、雨」

たまにはお月様でも眺めようか、なんて思ってベランダに出たら、雨が降っていた。


降り方からして、天気雨。


空は暗いけど、まだ夕方と言えなくもない時間帯。


どうせ、すぐにやむよね。


部屋に戻って、また夜にお月様を眺めればそれで済むけれど。


何だか、雨が泣きながら「見ててよ」って叫んでいるみたいで。


もう少し、ここにいようかな、と思ってしまったんだ。



※涙雨と一緒に、つい泣いてしまった人とは別の人です。


時雨は、秋の末から冬にかけて空が一面に曇り、降ったかと思うとまた止む雨のことで、

夕時雨は夕方に降る時雨です。


よぶ、には 呼ぶ、と 喚ぶを掛けております。


すぐに止むからと、いつもはあまり気にされない夕時雨。


たまには、止むまで見ててほしいのでしょうか。





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