皿の上

九重白

「愛されてないみたい」

ふと気づく

目を下に向ける、皿に盛られた

ショートケーキは一口も手を付けていない

それとは逆に手首の横縞は増えるばかりだ


夢を見る、朝になるその繰り返しの日々

そう思っていた、

現実は日々朝が淀み曇り行く日々だ


「僕が救いたかったのは

僕が救いたかったのは

僕が救いたかったのは」


願っても変わらない気づけなかった

涼しい風は来ない

皆未来を気にする、


「私も考えないとなぁ」


あぁ、要らないのだった、私ったらうっかりさんめ、



高い所から落とされたショートケーキは



潰れた

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皿の上 九重白 @kokonoehaku

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