第7話 斗真の居場所
「心配したんだぞ!もう二度と家出するんじゃない!」
これには、驚いて言葉も出なかった。いつも優しく穏やかな小掠先生が、怒った。タクシーで帰宅して、すぐに小児科医院に行き受診。採血をして、内服薬の調整。そこまでは、いつもの先生だった。
「斗真君。君は大人が保護するべき子供なんだ。その保護を私たちが名乗り出ている。君を息子として迎えようとしている。だから、君の第二の親として、言わせてもらう。親を不安にさせないでくれ。君が思うより、私たちは君を大切に思っているよ。たくさん探したよ。とても心配したんだ。心が折れそうになる時もあったよ。こんな思いを、二度と親に、家族にさせるんじゃない」
真剣な顔。先生、顔色が悪い。先輩も、クマが出来ている。僕を、探してくれていたんだ。ホロリと涙が落ちる。
「ごめ、ごめんなさい。もう、絶対しません」
「よし。分かればいいよ。斗真君の家は、ここだ。あとで、ゆっくり話そうね。本当に、無事でよかった」
いつものニッコリ笑顔に戻った先生が、頭を撫でてくれる。耐え切れず、ぼろぼろと涙が落ちた。胸がいっぱいで、言葉が出ない。そのまま、先輩と家に戻った。
二階のダイニングで、先輩が温かいスープを入れてくれる。僕が初めて先輩に作ってもらったミネストローネだ。ここのところ、コンビニおにぎりやパンで済ませていたから手作りの味が身体に染みこむ。生きているって身体が声を上げている。
「おいしぃ」
「うん。良かった。本当は、昨日の夜、ネット上で斗真を見つけていたんだ。すぐオーナーさんと連絡を取ったけど、なかなか信用されなくて、居場所を教えてもらえなかった。斗真の事、かなり詳しく話して、やっと会わせてもらえるようになった。斗真が無事だと分かったときの喜び。心から神様に感謝したよ」
先輩が、僕をじっと見つめる。真剣な目。視線が外せない。
「斗真。もう、絶対にいなくなるな。ここで、誓って」
先輩を見たまま、コクリと頷く。
「はい。誓います。心配かけて、ごめんなさい」
ニッコリ笑って、僕の頭を撫でる先輩。ついでに、左頬を撫でる。
「きれいに痕が消えたね。良かった。痛くなかった? 生活、困らなかった?」
「はい。良くしてもらっていました。ベッドもあって、個室を与えてもらって。そういえば寒くもなかったです」
「そうか。良い人に出会えたんだね。本当に良かったよ。またお礼に伺おうね」
いつもの穏やかな先輩だ。でも、顔の疲れが僕の心に突き刺さる。僕の家族は、僕がどんなに苦しくても気にもしない。だから、先輩も僕が消えたら、何事もなく前に進むのだと思い込んでいた。先輩の顔を見て、小掠先生の青白い顔を思い出す。申し訳なさに、涙がにじむ。ふと、不安がよぎった。
「先輩、受験勉強は、大丈夫ですか?」
「え? こんな状況で勉強出来るやつがいたら知りたいよ」
「ど、どうしよう。先輩、今すぐ勉強しないと」
すぐに立ち上がる。
「あはは。斗真、座っていいよ。そんなに成績悪くないし。十日くらい、大丈夫」
でも、僕のせいで勉強できなかったなんて、どうしよう。
「僕、もう邪魔しません。何でも協力します」
「斗真が、何でもしてくれるの?」
「はい。」
「じゃ、勉強頑張れるように、手伝ってね」
「もちろんです」
僕は、先輩の望むことをするんだ。僕の思い込みで行動したら間違えることは、もうわかっている。
「部屋に行ったら、ね」
ニッコリ笑う先輩に、「はい」と笑い返す。
「本当に、綺麗に痕が無くなったね」
先輩が僕の身体を隅々まで撫でまわす。明るい時間に、電気も付けたまま。僕だけ服を脱ぎ、全裸。「目を閉じないで」と言われ、僕を撫でまわす先輩から視線が外せない。心臓が鳴り響く。日中、小掠先生の診察で全身の打撲痕が消えたこと、左の鼓膜も再生して聞こえの問題もないと診断を受けている。だけど、先輩はちゃんと確認して安心させて、と言った。先輩が望むなら、僕はそれを受け入れる。自分で服を脱ぐ恥ずかしさ。目を開けて、僕を見つめる先輩の視線を受け止める緊張。堂々と立つことは出来なくて、少し前を隠してしまう。近づいた先輩に「手をどけて」と両手を上に上げられてしまう。全部、熱い視線にさらされる。僕の呼吸に合わせてハクハク上下する胸の動き。僕の腕を上に固定したまま、覆いかぶさるようなキス。口の中を食べつくすような、濃厚なキス。息まで吸い取られる。舌を強く吸われて、頭がチカチカする。唇が離れて、先輩の視線が首から下に、徐々に移動する。その視線を、僕が目で追う。
「ここも、もう痛くない?」
僕の腕から手を離し、お腹を撫でる。嘉人に蹴られて、大きな内出血が出来た場所。内臓の損傷がなくて良かったと言われたほど酷く腫れた。正直、数日は食事を食べるだけで胃が痛んだ。今は、もとの白い肌に戻っている。肋骨から下腹部までを大きな手のひらが撫でていく。脇から腰を撫でられると、くすぐったさにビクリと身体が揺れる。
「可愛い」
何が? 先輩の目線をたどると、僕の陰茎が起ちあがっている。とたんに、下腹部に意識が向かい、全身が熱くなる。
「ちが、違います! コレ、これは、ちょっと、待って!」
必死で抵抗しようとするけれど、
「見せて」
その一言で、隠すことが出来なくなる。心臓がバクバク鳴る。両手は解放されたのに、隠すことが出来ない。ムクムク起きてしまう僕の陰茎を、ただじっと見られている。恥ずかしさに、涙がにじむ。腰が、モジっと動く。立っていることが辛い。先輩が僕の前に膝をつく。腰を両手でつかまれて距離をとることが出来ない。僕の起立の前に、先輩の綺麗な、顔。恥ずかしい! 耐えられない!
「先輩、もう、もう、やめてください」
弱い声で訴える。緊張で心臓が鳴り響いている。
「どうして? こんなに可愛いのに。恥ずかしがらないで。斗真が俺のだって確かめたい。斗真の事を傷つけたくなくて我慢していたけれど、それが気持ちのすれ違いになったね。本当は毎日、欲情してた。隠すのが必死だったよ」
起立の前でしゃべるから、息が、陰茎に、陰毛に当たる。両手で口を覆って、声が上がらないように堪えた。ニュルリとした感触。
「せ、先輩!!」
さすがに声を上げてしまった。僕のをぱくりと口に含み、舌で根元から先までレローっとなぞられる。
「うぁっ! アッ!」
先端の溝を舌先でツンツンつつかれる。「ひぃっ」と情けない声が出てしまった。とんでもない刺激に、膝が震える。先輩の肩を掴んで離そうとするが、片腕を腰に巻き付けるように抱き留められている。空いた手で僕の勃起を支えて、形を確かめるようにレロレロと舌で嘗め回される。我慢しても、腰がカクカク揺らめく。気持ちよすぎる!
「き、汚いですから!」
「汚くないよ。斗真は綺麗だ。大好きな斗真のペニスだ。可愛くて、こうして嘗め回したいと思っていた。俺の気持ちが伝わると良いけれど」
「つ、伝わりました。もう、分かりました! あ、あぅ、舐めちゃだめ!」
恥ずかしくて、腰が揺れるほどの刺激で、混乱で、気持ちが乱れて涙が落ちる。先輩が、僕を見上げる。欲情した、色っぽい表情に、心臓がドクリと鳴る。濃厚なキスの後より色っぽい顔。
「本当に、舐めちゃダメ?」
残念そうに、甘えた声。熱っぽく見つめられて問われる。こんな顔、知らない。色気が漏れている。心臓がキュンと鷲掴みにされたよう。
「いいです。先輩の、好きにして、いいです」
自然と言葉が出ていた。
「いい子」
先輩にお姫様抱っこされる。僕一人を軽々持ち上げる筋力はすごいと思う。ベッドにそっと降ろされて、あっという間に先輩も裸になる。先輩、勃起している。その大きさに、見入ってしまった。綺麗だ。逞しくて、太くそそり立つ。皮もちゃんと剝けている。茎が長くて、お腹の方に弓なりになっている。つい、自分のを見てしまい、さっと隠した。
「どうかした?」
「……自分のサイズが恥ずかしくなりました」
「あはは。気にしなくていいよ。俺のが大きいんだ」
恥ずかしげもなく、そんなことを言う。顔が赤くなってしまう。
「ね、斗真。俺、斗真といつか性的な事がしたいと思っていた。斗真を抱きたいって考えていたんだ。そういう好き、なんだよ。それが、あんなことがあって自分の気持ちを押さえてた。斗真のちゃんとした気持ちを聞きたい。俺とするの、嫌? 怖い?」
先輩を見つめて、応える。
「僕は隆介先輩が好きです。大好き。先輩のキスは気持ちがいい。口の中を舐めあうのも好きです。これは、隆介先輩とだけ、したいと思います。嘉人のは、すごく怖い暴力、だったと思います。でも、先輩とはちゃんとセックス、したい。僕は、先輩が気持ちいいことをしたい」
逞しい胸に抱き着いてみる。直接肌が触れる。気持ちいい。安心する気持ちよさ。服がないと温かさが全然違う。つい、先輩の肌を舐めてしまった。汗が、美味しい。ナニコレ。人の肌って甘い。硬い筋肉にゾクゾクする。規則正しい心音に吸い寄せられる。
「ふは。斗真、可愛い」
くすぐったそうな先輩の声。はっとして、先輩の肌から離れる。僕は何をしているんだ。自分の行為に、顔から火が出そうになる。
「あっ、あの、ごめんなさい」
先輩の下から這い出ようとするが、すぐに覆いかぶさる先輩に阻止される。
「あぁ、どうしよう。可愛すぎる。大好きだ」
ため息のように僕に注がれる声。抱きしめられると、僕に当たる固いモノ。存在感がありすぎる。僕の身体にこすり付けるように数回腰を動かす先輩。リアルな感触に、心臓がバクバク鳴り響く。
「斗真、してみよう。怖かったり、嫌だと思ったら教えて」
僕の頬を優しく包む大きな手。この手は、いつも温かい。いつも優しい。コクリと頷き、先輩にキスをする。
「あぁっ! あぅっ!」
抑えても声が上がる。涙もよだれも、鼻水も垂れているんじゃないかと思うけれど、その全てがどうでも良かった。ただ、僕の中を満たす先輩が、奥に入り込んで突き上げる動きが、今の僕を支配している。気持ちいいとか、感じるとかは、頭の中をキラキラかすめる煌きの一つに過ぎない。コレは、絶対的な支配だ。全身がゾクリとする支配。先輩が脳の奥まで入り込んで、埋め込んだモノで呼吸も、嬌声も、身体のビクつきさえコントロールしている。僕の身体なのに、自由にならない。訳が分からなくなる、恐怖に似た快感。
「もう、何も、ない、です……。もう、もう、これで、僕の全部、です」
涙と悲鳴の合間に訴えるけれど、
「どこかに、まだ、何かある?」
と深くまで抉られる。突かれるたびにグシャグシャに涙が流れて、嬌声を上げて、唯一僕の中心を支える先輩に縋り付く。心の中まで全て明け渡して、チカチカする視界に、勝手に液をまき散らす僕の陰茎に、閉じる事の出来ない先輩の入っている場所に頭がスパークして、身体がビクビク痙攣した。こみ上げる何かを我慢できず、悲鳴を上げながら意識が落ちた。
目が覚めたら、パジャマを着てベッドで寝ていた。シーツも綺麗になっている。先輩は? 部屋を見るとデスクで勉強している。起き上がった僕に気が付いて、一回伸びをして僕のもとに来る。
「おはよ。身体、痛くない?」
聞かれると、途端に恥ずかしさが蘇る。隠すのも良くない気がした。
「……腰が、重だるいです。やっぱり、お尻は、気になるかも」
「そうだよね。無理させちゃってごめん。すごい気持ち良くて、斗真が可愛くて、あ、だめだ。思い出すと起っちゃう」
あはは、と笑う先輩につられて、僕も笑ってしまった。
「時々、セックスしよ? 俺、セックスってこんなに幸せなモノだって知らなかったよ。好きな相手が、すべてを委ねてくれる快感。斗真だからそう思えるんだろうな。大好きだよ」
額にチュッとキスをされる。優しく頭を撫でられて大切にされていると実感する。自然と頬が緩んでくる。
「はい。僕も、先輩が大好きです」
「斗真、二人の時は名前で呼んで」
「隆介先輩」
「先輩抜きで」
「隆介、さん」
「ふはっ。昭和だな。隆介君でどう?」
「隆介くん」
なんか、顔が赤くなる。
「エッチの時には、先輩じゃなくて名前で呼んで欲しいんだ」
耳元で小さな声で話されて、全身がビクリと跳ねる。えっち、の時。そういえば、無意識に沢山呼んでいた気がする。顔が火照って汗が出る。
「可愛い」
口にキスをして、夕食にしよう、と起き上がる。起き上がるのも歩くのもゆっくりなら大丈夫だ。僕をそっと支える隆介君に、小さな幸せを感じる。僕、もう一人じゃない。見上げて笑えば、優しい笑顔が返ってくる。一階のリビングに行くと、先生夫婦がくつろいでいた。
「斗真君、起きたね。夕食取っといてあるよ。隆介と食べて」
「帰ってきて安心したんじゃない? よく寝たわね」
「はい」
時計を見たら二十時だ。
「先輩も、食べていないの?」
「斗真と食べようと思って」
そんな些細なことが、嬉しい。ご飯が一人じゃない。座っていて、と言われて従う。静かにご飯を食べる。でも、正面を見れば、ニコリと笑う先輩。お茶をとろうとすると、「はい」ととってくれる。嬉しくて、ふふっと笑みがこぼれる。夕方にスープも飲んだのに、ペロリと完食してしまった。先輩がさっと食器を下げてくれる。一緒に手伝って、食器を洗う。いつの間にか、ダイニングテーブルに先生夫婦が座っている。
「斗真君、隆介。ちょっと話をしよう」
先輩と僕、先生夫婦、四人で向かい合う。僕から、ちゃんと謝ったほうがいいかな。ちらりと小掠先生の顔を見る。目が合うとニッコリ笑ってくれる。
「さて、お姉ちゃんが居ないけれど、斗真君聞いてくれるかな? 私たち家族の意思を君に伝えておきたくてね」
小掠家の話なのかな。コクリと頷いて、先生を見た。
「少し前に決めたことなんだけれど、斗真君を養子に迎えてもいいだろうか?」
驚いて、先輩を見る。先輩は、しっかり頷いて僕を見ている。
「斗真君、言い出せなかったけれど、斗真君の家は今回の事件、斗真君を施設に出すことで解決しようとしている。斗真君の家族は、弟の嘉人君の将来をとても心配していて、事件について当事者の君を他県の遠くの施設に入れてしまおうとしているんだ。そうすれば無かったことにできるから。児童相談所の職員とも、話し合いを持っているけれど、被害者の君だけに全てを押し付けるのは間違っている。本来、嘉人君は逮捕されるような暴行をしたんだ。あの時、実は助けに行った隆介も蹴られて打撲を負った。診断書も取ってある。斗真君の被害届は親が許可しなくては出せないかもしれない。でも、隆介が弟君を訴えることはできる。これを君の親に突きつけている。被害届を出してほしくなければ、君をうちに養子にくれと交渉しているところだ。ただ、コレは斗真君の意思が最終的に最大の効力がある。次回の児童相談所との話し合いで、斗真君の意思が確認される。君は、どうしたいかな?」
そんな話し合いが進んでいたなんて。僕、遠くのどこかに、捨てられるの? さっきまでの幸せな気分が嘘のように、手が震えだす。
「し、施設は、行きたく、ありません。どうして? 僕は、僕は悪いことをしたんでしょうか……?」
僕は、自分の家で、誰にも嫌われないように自分の存在を消すように必死で生きてきたのに。それでも、やっぱり捨てられるのか。震える手を、横から先輩が包み込む。
「斗真。お前は悪くない。子供を愛せない親だっている。それは、斗真のせいじゃない。お前の家族の分、俺たちが斗真を愛していくよ」
いつの間にか流れた涙を先輩の手が拭いてくれる。
「斗真君。私たち、完璧な家族じゃないわ。理想の家族とは程遠いかもしれないわ。私は家事苦手だし、夫婦で仕事一筋だしね。それでも、支え合って理解し合って家族としてやっているわ。斗真君とも支え合っていきたいのよ。あなたを、うちに迎え入れたい。母親らしいこと出来ないんだけど、そこは、ごめんなさい」
照れ笑いしている副院長先生。三人の顔を見つめる。この人たちは、優しい。
「僕、何もできません。支え合うことが、寄りかかるばかりになってしまうと思います」
「それでいい。寄りかかってくれればいい。斗真君は、本当に頑張って生きてきた。私たちは、君を甘やかしてあげたいんだ。斗真君が自分の親を憎めない気持ちはわかる。斗真君は、それでいい。実の家族を切り捨てなくていい。恨まずに、追いかけずに、親と弟を見守ってあげなさい。目をそらさずに、自分が巻き込まれないように強くいながらね。そうすれば、いつか何か分かるときが来るから」
嬉しそうに院長先生が笑う。
「ずっと、俺の傍にいて。俺がずっと守るから」
先輩が、愛の告白のような一言を言う。沈んでいた心が、ドクンと動いた。遠くの施設は嫌だ。先輩と、一緒にいたい。
「僕を養子にしてください。よろしくお願いします」
エピローグ
櫻井の家から、小掠家にすぐに養子手続きがされた。あっという間だった。僕の意思確認に児童相談所や行政の人が来て、事務上の事など三十分も話さず終了。お父さんやお母さんに会うことはなかった。荷物はまとめて送られてきた。小掠先生に言われた「見守っていこう」という言葉が心に残っている。僕は、櫻井家にしがみついていたけれど、今度は少し離れたところから家族を見てゆこうと思っている。そのかわり、僕には優しい居場所が出来た。高校では、苗字は櫻井のまま。大学にも好きに行っていいよ、と言われている。進学のタイミングで「小掠」に姓を変えていく。先輩は、家族兼恋人で最高に幸せだと言ってくれる。僕も同じだ。三日に一回のセックスも、毎日のキスも全部幸せだ。僕が笑うと、誰かが笑い返してくれる。こんな単純なことが、心を満たしてくれる。喘息発作も全く起きていない。これまでの発作は、嘉人が僕の部屋にアレルギー源を故意にいれていたせいじゃないかと小掠先生には言われている。でも、それも全部許すことにした。だって、僕の血のつながった家族だから。嘉人と父母と、櫻井家なりに、生きていってくれればいい。
僕には、もう別の幸せな家族がいるから。横を向けば一緒に人生を歩んでいく恋人もいる。僕の目標も見つけた。僕は、隆介君と一緒にお医者さんになろうと思った。一緒に小掠医院で働きたい。大好きな隆介君に寄り添って生きていこうと決めている。僕は、大切な人のために僕の人生を生きていくと決めたんだ。
手に入らないモノと満たされる愛 小池 月 @koike_tsuki
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