第6話 計画①

「あれ…ここは…。」

見たことのない部屋で少なくとも病院とかではない。


「お前が気を失ってたのはたったの20分だ。」

扉からシグルズと悠鳴が入ってきた。


「え、たったの20分!?明らかに骨が折れる音がしたし、気絶したし?それで20分!?」

「そうだ20分だ。俺、|不浄の悪魔《シグルズ》の能力は対象に触れることで本に記されていない謎の病で対象を殺すようなものだ。その能力は殺す意志が強ければ強いほど、死ぬほどの病に至る。だけど、逆に治したいと思う程、にもなり得るんだ。」


「…じゃあ、シグルズが治したいと思って治してくれたの?」

「まあな。照れくさいからあんまこっちみんな。」


シグルズは少し目を逸らした。


「そういえばヘロとは仲直りした?」

「俺はもう、ヘロのことはどうも思ってない。まあ理不尽で怒ってた俺の方が悪いから、ちゃんと謝りはした。」

「なら良かった…」


そんな話をしていると、


「雪弥くんごめんっ!!俺は本当はこんなことするつもりじゃなかったんだ!全てシグルズに命令されて、許してくれ!」

「別に怒ってないよ。ちゃんとみんな仲直りしたし。」

「ありがとう…。お詫びとして、今度焼肉でも奢るよ。」

「大丈夫だよ。気持ちだけでも貰っておくね。」


全ては解決した。仲間も増えて、気分も盛り上がってきた。


「それはそうと、これからの計画を決めないとな。幾世たちは今どこに?」

「隣の部屋にいるよ。さっきお茶とお菓子を渡したから、気分も落ち着いてる思うけど。」

「わかったじゃあそっちに移動しよう。」


幾世がいる部屋の扉を開けて目をやると、幾世は悠鳴のペットの犬と話していた。

「へぇ〜。あの男の趣味は胸が大きいOLなんだ〜。」


「え!?なんでそのことを!?」


彼女の能力を悠鳴に教えると、とても悶えていた。どうやら幾世は悠鳴の弱みを握ろうとしてたらしい。悠鳴のその趣味はかなりの弱みになりそうだけど…



「幾世、そして悠鳴、これからの計画をしよう。どうやって始祖の悪魔に再び会うか、そして悪魔をこの世から消すかを。」


まだ3人の能力では何もできない。頼れる仲間がもっといれば始祖の悪魔に再び会うことも可能だろう。だけどどうやってあの叡智の悪魔ソフィアに会うのかが最初の問題だ。

奴が今どこにいるのかも、そもそもどんな奴なのかもわからない。もし会えてもまた記憶操作でうまいことしてやられるかもしれない。


悪魔がいなくなる日は来るのか?

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何処が我らの世界だ? 涼宮ショウジン @shine___

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