第5話 遭遇
「お前は衰弱の悪魔の覚醒者か?」
学校からの帰り道。後ろの方から声が聞こえた。
「昨日の話を聞いていた。お前も覚醒者なら仲間にならないか。」
(どうする?モンド。)
『考えてみる余地はある。』
「考えてみる余地はあるってさ。」
「ただし、うちのやつが言葉の悪魔ヘロが大っ嫌いなんだよ。だから、一緒に殺そうぜ?」
「そんな誘いにのると思うか?」
名も名乗らない謎の男の後ろから人影が見えた。
「あなたは何者!?」
「不浄の悪魔シグルズの覚醒者、
幾世だった。男は幾世の能力によって答えざるを得ない。
「何故私を殺すなんか言ったの?」
「シグルズが言葉の悪魔に因縁を持っているから。」
男は口を割る。諦めかけた顔で、何かを悟っている。
「わ…私は…やってないって…いったでしょ。」
あの無口だったヘロがついに喋った。
「おいヘロ。お前だけは許さねえからな。」
不浄の悪魔が男の器から出てくる。
「あなたの前の器を殺したのは…私じゃない。」
「じゃあ、逆に誰がいるんだ?」
「わからない…でも私には人を殺せるような能力はない。」
「お前じゃない根拠はないよな?俺はお前を必ず殺す。器も、お前自体の存在もこの世から消す。」
「シグルズ、久しぶりだなあ?」
モンドが出てきてシグルズに話しかける。
知り合いのようだ。
「モンド、お前はあの時の記憶が残ってるか?俺はない。まあ、ヘロに器を殺された記憶はあるがな!」
「シグルズ、お前の器を殺したのは俺だ。」
(話が違うぞ、どう言うことなんだ?これじゃあ僕たちが殺されるんじゃ…)
『それはない、だって…』
「えっ…、モンドならいいか。」
「なんで!?私って勘違いしてた時は殺そうとしてたのに。」
「俺はモンドとはライバルであり、共闘する仲間だ。俺の個人的な気持ちで殺すような奴じゃない。」
「ひどい…」
「まあまあ、これで解決?したんだし、ここは穏便に仲直りということで。」
なんとか落ち着かせようと、僕は話に割り込んだ。
「仲直りはするよ。安心しな。けど、モンド…一発殴らせろよ。」
「ああいいぞ?」
ドゴッッ!!
殴られたのは僕だった。
モンドは返事をした後、一瞬にして僕の器に入り隠れた。そしてシグルズは僕本体を狙った。
人間を殴った時に聞こえる音じゃない。
骨とかが砕け散るようなそういう感じ。
意識を失った。
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