憧れの長編小説に挑んではみたものの

 いつかは書いてみたい。ものを書く人が憧れるのがこの長編という響きじゃないでしょうか。レビューやエッセーなど記憶にあるものはとりあえず一冊程度の量は書きましたが、こと小説となるとせいぜい2,000文字弱の掌編小説程度。しかし、書いてみたいという気持ちは日に日に強くなるばかり。


 2,000文字程度しか書いていないものをどう10万字くらいまで膨らませるのか。これはもう難題で庭に置いたプールで泳いでいたのを海で泳ぐようなものですからね。どっちへ泳げばいいのか、どこまで泳げばいいのか皆目見当がつきません。そこでまず考えたことはある程度、記憶にあることで話を作っていこうということです。


 以前、大型免許を取得しに教習所に通ったことを振り返りながら、書き始めたのは良いのですが、出だしの一行目から頭を抱えてしまった。こうだ、ああだ、などと何度も書き直しているので一向に話が進まない。文字数に制限がないので好きなことを書けるはずなんですけどね。とは言え、この書けないで苦悩しているところも作家気分とでも申しましょうか。ちょっと心地良かったりもします。


 結局、最初に書いた「交差点で見た色」は約一年という時間を費やしてしまいましたが、コツコツ書くこと、長い話ならではの組み立て方、書き終えた達成感など、いろいろ得るものがあったような気がします。時間を掛けた分、良いものが出来た。なんて当時は思ったりもしましたが、現在では初めてだから大目に見てねというところでしょう。


 とは言え、長編もやれば出来るんだという自信にはなりましたよ。

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