それは書くことを趣味とする意思表明

 それがズバリワープロの購入です。当時PCも出ていましたが、私にとってはこのワープロと言う響きに凄く憧れたんです。どうせなら良いものをと購入したものは20万近かった。何せプリンターはもちろんのこと、スキャナーやインターネットまで出来る代物。つまりは本器がインターネットデビューと言うことにもなります。


 ワープロにいいところは音がしないこと。ファンとかありませんから静かで集中出来ます。そして立ち上がりの速さ。これは1秒を切ります。ノーパソなどに比べたら重いですけどね。とりあえず持ち運びも出来る。ほとんどは職場に置いていて仕事の暇な時間とか、終わった後にこれで遊んでいました。


 最初はカナ入力。広告の裏に手書きで書いていたよりも慣れないうちは遅かったですが、文字の変換や文章の移動などは感動しましたよ。今まではこの文をこっちにと、丸を付けて線を引いて。なんてことをやっていたのですから当然と言えば当然。


 保存はフロッピーディスクです。PCのHDDとかから見ればお笑いでしょうが、当時はかなりの文字を保存できると驚いたものです。インターネットもアナログ回線ですから繋いでる分、料金が発生する。おまけに遅いなんてレベルじゃない。大きい画像などはいくら待っても現れない状況。それでも面白かったですね。


 ただ、この段階ではまだ小説を書こうという気持ちはありませんでした。高価なおもちゃを買っただけという感じで、キーボードを叩いて表示される文字を眺める程度でも何か満たされる気がしました。手書きからの解放っていう喜びでしょうか。

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