書くことは手紙で。初の募集を新聞社に

 カー雑誌に掲載されたものはしばらくは毎日のように眺めました。嬉しさも相変わらずでしたが、これで書き物に目覚めたわけではありませんでした。むしろこれで終わったという満足感。掲載された達成感で、次の投稿はまったく考えませんでした。


 当時、書いたのは手紙、日記、レビューくらいですから小説などは論外。頭の隅にも浮かんでいませんでしたよ。ただし、何かを書きたいという欲望はあったんでしょうね。いつもは募集欄に出ている相手に手紙を送るだけでしたが、自分で募集を掛けたらどうだろうかと、意を決して新聞社の募集掲載欄に出してみたのです。カクヨムで言えば自主企画。


 しかし、これが思った以上に頭を使いました。短い文章で相手に響かせなければ手紙など届きませんからね。それこそあれこれ考えました。もちろん考えたところで新聞に掲載されるかもわからない。そして、ようやく自己紹介文などを書いて送付。その後の新聞は見るのが楽しみでした。


 それからしばらく経ったある日。私の募集が新聞に掲載されている。これはカー雑誌と違った喜びがありましたね。載ったこともそうですが、如何ほどの手紙が届くのかという期待もです。ポストに入りきらなかったらどうしよう。などと勝手に変な妄想もしておりました。結局届いたのは5人くらいでしたかね。


 それでも同時にやり取りするわけですからおかしなことも書けない。同時連載のようなものでしょうか。お約束のように一人消え、二人消えでしたが、最後に残ったのが今のうちの奴ですから、この企画には意味があったということでしょう。

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