原稿用紙の白いマスが無限にも見えた
文字を書くのが大の苦手な人にとって、400字の原稿用紙を埋める作業は永遠に終わりのないマスにも見えましたね。もうタイトルを書くだけで半分終わったような気分でしたから。すんなり書けるのは名前だけ。それでもひとまず思いついたことを書いてみる。一行、二行。おっ!良い調子だ。などと思った矢先、ペンが急停止。そこで締め切り間近の作家のような顔で、延々と紙を見てため息をつく…どころか、恐らく寝っ転がって違うことを考えていた可能性も十分あるか。
しかし、書かないことには終わらない。ない頭を捻ったんでしょうね。だいたい想像はつきます。ある程度、考えたところで後日にまわす。後日どころか翌々日なんてのもたぶん当たり前だったはず。一日で書きあげた記憶はない気がします。
どうやってマスを埋めるか。
定番なのはあえて知ってる漢字でも平仮名を使う。これは有効です。でも作戦としてはこんなものだけ。今ならば意味もなく改行するなんて手も繰り出せるでしょうが、当時はただひたすらマスに字を入れるだけで精一杯だったはず。どこかで改行したような記憶もないこともないんですが。
ただ、一枚でもその状況です。終わったと安心したらもう一枚あったなんて時の絶望感たらありません。大袈裟にいえばこの世の終わり。それはそうです。二枚目はタイトルも名前も書けないんですから。もう一回書いても良いですか?なんてことを、もしかしたら思ったかもしれない。いや、思ったよ。きっと。
今ならば仮に二枚だとすると、そこにどう収めるのかあれこれ考えるかもしれませんけどね。
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