『作文嫌いの🦍が文章を嗜む🦍になるまで』

ちびゴリ

作文嫌い

 とにかく作文が嫌いでしたね。当然のことながら苦手で宿題に出された時には暮れの大掃除よりも大仕事に感じ、原稿用紙を前に苦悶の表情を浮かべ続けたものです。


 これは小学校の話です。


 もちろん読書感想文も一緒。書くのはあらすじ。書けない人の定番スタイル。それ以外に何を書けとおっしゃるのか、と当時の私ならば思うはず。とにかく書くことがないんですよ。


 親について書けと言う作文もありました。うちの親は文章を書いたり本を読むほどでもなかったので、いかほどの能力があったのかはわからないんですが、それでも私としては救いの神。親がああだこうだというのを聞きながらせっせと鉛筆を動かしました。なんでもいいんです。書き終えることが出来れば。だから小言じゃない親の声は天からの声にも聞こえた…かもしれない。


 何年生だったでしょうか。作文の宿題が例のごとく出されて、テーマは「自由」だと先生が言いました。自由か。作文嫌いの私にとってこのテーマは重い。でも書かなければならない。なんせ宿題ですからね。

 時に悶絶しながら頑張りましたよ。自由についてあれこれ考えて書き上げました。


 それから学校へ行って他の子のものを見たら、なんだか好き勝手なことを書いてるじゃありませんか。これには正直呆然としました。話が違うだろうと。

 あれこれ考えた私はすぐに自分の勘違いだと気付きましたけど。


 なんでもいいという「自由」だったんですよね 自分のアホさに気付いた瞬間でもありました。


 もしタイムスリップでも出来るならあの時の作文を読んでみたい今日この頃。

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