第3話アル中ヒロイン?
受付嬢の話しではマーシャという十七歳の女魔術師がフリーでやっているらしい。
「アル中の魔術師?」
「依頼のない日は朝から飲んで、毎晩のようにバーで一人飲みしてるんですよ」
「休みなら個人の自由だが?酒絡みで依頼の失敗とかしたのか?」
「依頼は完璧にこなすのでが……町の子供達にアル中呼ばわりされていて、本人も否定しないんです」
なるほど、子供の戯言と相手にしてないのか、子供に寛容なのかどちらかだな。
私はあって話して見ようと思った、人柄によってはディーノの生涯のパートナーの可能性もある。
その日の夜マーシャが通ってるバーに行ってみた。
静かでいい雰囲気の店だった、多少雑談の声が聞こえるが騒いでる者はいない。
私はカウンターに目をやる、誰も居ない?
いや、右の端に気配を感じる。
私は目に魔力を通す、すると女の姿があられた。
私は彼女の隣に座ると声を掛ける。
「私はコカ冒険者をしている、マーシャさんだね?」
「そうだけどここはバーよ、先ず飲み物オーダーしなさい」
「その通りだ、マスターボイラーメーカ一つ」
「ヘェ~、ウイスキーのエール割り飲めるのね!」
私のチョイスに感心したようだ、ボイラーメーカーとは、その名の通りボイラーのように燃え上るように酔いを楽しめるカクテルだ。
暫くしてボイラーメーカーがジョッキで提供される、私は一口飲む、ウイスキーでアルコールが底上げされ脳天にガツンとくる。
「それにしても認識阻害の魔術使っていたのによく気がついたわね?一人飲みしてるとナンパがうざくてね…」
私は改めて彼女顔を見る、整った目鼻立ちに、髪はふんわりとした茶髪を後で二つ編みにしている、中々の美人だ、そりゃ口説かれる。
「気配を感じたんでね、目に魔力を通したら視えたよ」
「大したものね、それで依頼かしら?」
「パーティーに入って欲しい、私と十五歳の弟分の三人でやっていきたいんだが?」
「弟分?付き合ってるわけではないの?」
「正直に話すと一度体の関係は持った、事情があって私はこの先抜ける予定なんだ、マーシャさんには私が抜けたあとも彼を支えて欲しい」
マーシャは悩んでるようだ。
「とにかく一度彼にあってくれないか?ディーノと言って魔法と剣士の適正がある、初級の回復が使えるから二人で十分やっていけると思う」
「ディーノくんはお酒好き?」
「好きだぞ、ウイスキーのソーダアップをよく飲んでる」
なるほど仲間に酒が飲めない奴が居ると気まずいと言うのか、それなら問題ない私も酒は好きだ。
「なら、明日同じ時間に彼を連れてきて、一度あって考えたいの、あと、私のことはマーシャでいいわ」
「わかった」
取り敢えず会う段取りはできた、私は安心するとジョッキを殻にした。
「次は何飲む?奢るわ」
「悪いな、マスター、ピートの強いウイスキーある?」
私はピート、煙臭い銘柄をマスターに尋ねる。
「これがおすすめですが、飲み方は?」
「ストレートで」
「私も同じ物を、あと生牡蠣頼むわ」
あの銘柄に生牡蠣を合わせるとはマーシャはウイスキーに詳しくようだ。
ウイスキーとチェイサーの水が提供される、喉と胃を痛め無いために交互に飲むものだ。
「友達になるか、敵になるかぐらい癖があるわね……悪くない」
マーシャがウイスキーの感想を言う、私もウイスキをー口に含んだ、ピートの中に潮の香りがする。
「牡蠣に合いそうだな」
「貴方も食べていいわよ」
マーシャの頼んだ生牡蠣が提供されると私に勧めてきた。
「ウイスキーの潮の香りと生牡蠣あうな…」
「そうでしょ?」
マーシャは笑みをこぼした、受付嬢の言うように酒が好き過ぎるだけで、人格に問題はないようだな。
「話は変わるけど、ケーン・スネイクって男聞いたことない?私探してるの」
ケーン・スネイク?確か前世で……彼奴か。
「ん?マーシャ病気なのか?」
「えっ?」
「ケーン・スネイクって、魔族の最高の医者だろ?」
マーシャの顔が固まった、何か不味いこといったか?そもそも何で人間のマーシャがケーン探してるんだ?
「ケーン・スネイクって魔族なの!?」
どうやら一般の人間が知らない情報だったらしい、不味いなあ、前世魔族で治療受けたとか言えない。
「わ、私の死んだ祖母が若い頃、魔族の医者に助けられたって言っていたんだ……確かケーンという名前だった」
咄嗟に誤魔化したが、マーシャは疑ってるようだ。
「それ本当?」
「そ、祖母の言う通りなら場所もわかるよ……引越して無ければ……」
「案内して、どうしても治して欲しい所があるの!!」
私は頷く事しか出来なかった。
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