しょうてんがいは どうぶつえん?!

もちっぱち

しょうてんがいは どうぶつえん?!

「おかあさん、これ なあに?」


みかちゃん が、しんぶん の

おりこみ チラシ の なか

から とりだして、いいました。


それには、しょうてんがい の

スタンプラリー が かいて 

ありました。




「これは、まち の 

 おみせ の スタンプラリー

 だよ。 いって みようか?」


「うん!」


 みかちゃんは、いそいで、

でかける じゅんびを しました。


ぜんぶで、 5こ あつめると、 

なにか プレゼント が 

あるよう です。



 さいしょに ついたのは、

 やおやさん でした。  


「いらっしゃいませ。

 きょうは、キャベツ が 

 やすいよ。」


 なんと、うっていたのは、

 くびの ながい きりん さん。





 「うわ、おかあさん。きりんさんが        

  おやさい うっているよ!」


 いつもと ちがう てんいんさんで、  

 みかちゃんは びっくり しました。

 ちょっと、うれしそうです。


「ほんとだね。

 きりんさん から なにをかう?」


「そうだなぁ。

 みかは、おすしが すき だから、 

 きゅうりの かっぱまき 

 たべたい!」


「そうだね。おすしつくろうね。

 きりんさんから、きゅうりを 

 かいましょう。」


 かいものかご に きゅうり を 

 いれて、スタンプラリー の 

 ちらし を きりんさんに 

 わたしました。


「はい、まいどあり!」


 スタンプ の かたちは、

 きりん でした。


 みかちゃんは、ワクワクして 

 つぎの おみせ に むかいます。




 スタンプは、あと よっつ、

 みかちゃんは、つぎの おみせに 

 いきました。


 ふたつめの 

 おみせは かんぶつやさん。


「おかあさん、

 ここは なにをうっているの?」


「ここはね、のりと こんぶ、

 きりぼしだいこんって 

 いうものが うっているんだよ。」


「へぇ、そうなんだ。

 いっぱいあるね。」


 ものめずらしそうに、

 みかちゃんは まわり を 

 みわたしました。


 たなには、どんこ と かかれた

 ものも あります。


 

「これは、からからに かんそう した しいたけのことですよ。」


 めがねを した ゴマアザラシさんが おしえてくれました。


かんぶつや の てんいんは、

ゴマアザラシ さん でした。




「いらっしゃい。きょう は、

 わかめが、おかいどく だよ。」


もう、どうぶつてんいんに 

なれてきた みかちゃんは、

すぐに こえをかけました。



「アザラシさん、おすしをつくるから、のりをください!」


「はいよ。のり10まい はいっているよ。」


おかあさんが、おかいけいしてる

あいだに、アザラシかたの

スタンプを おしました。


「やったー。あと、3つだ。」


すきっぷ しながら、みかちゃんはつぎの おみせに いきました。




ここは、おさかなやさん。


「えっと、まぐろとサーモン、

たこ、いか、いくら を

ぜんぶください。」


ペタペタと あるいてきたのは、

ペンギンさん。



「いらっしゃいませ。おすしの ねたですね。いま、おだし します。」


そのあいだ に、みかちゃんは、ペンギンがたの スタンプを おしました。


「ありがとうございました。」

ペンギンさんは ふくろに ちゅうもんした しなものをいれて もってきて くれました。


ペンギンさんは ふかぶかと おじぎをしてくれました。みかちゃんも おなじように ふかく おじぎをしました。


「あと2つだよ。おかあさん、たのしいね。スタンプが たまったら なにが もらえる んだろうね。」



つぎに むかったのは

きのみが うっている という 

きのみやさんに いきました。


そこには ふわふわのふくを きた

ハムスターさんが いました。


「いらっしゃいませ。こちらは きのみせんもんてんです。」


「おかあさん、みて! このふくろに アーモンドが いっぱい はいってるよ。」


「そうだね。みかが すきな アーモンドチョコレートが 作れそうだね。」


「うん。これを かおう!」


みかちゃんは、アーモンドがはいったふくろを もって ハムスターさんに わたしました。


きのみやさんでは、ひまわりのたねや カシューナッツ、ピーナッツ、クルミ、ピスタチオ などの たくさんの きのみが うっていました。


みかちゃんは ハムスターのかたちを スタンプを チラシにおしました。


「おかあさん! あと一つで、スタンプラリーがいっぱいに なるよ。たのしみー」


みかちゃんは、なんかいも ジャンプをして、つぎのおみせに いきました。



つぎのおみせは、おにくやさんです。


てんいんさんは だれだろうと みかちゃんは ドキドキしながら、おみせに

はいりました。


「いらっしゃいませー」


エプロンを つけて あたまに つんつんとんがった あかいたてがみ を はやした ライオンさんが でてきました。


おにくやさんでは ぎゅうにく、ふだにく、とりにく、しかにく、いのししにく、ばにくなど たくさんの しゅるいのおにくが うっていました。


さすが、にくしょく どうぶつの ライオンさん。たくさんの おにくの ことをしっている みたい。


「からあげが たべたいから どのおにくを かえばいいの? おかあさん。」


みかちゃんは、とりの からあげが だいすき ですが、なにで つくって いるか わからない みたい。


「それはね…。」


おかあさんが いおうと すると

らいおんさんが よこから


「これだよー」

 といいながら とりにくの はいった おにく パックを みせて くれました。


「とりのからあげに レモンかけると おいしいですよね。」


じょうげのはを ぴかっと ひからせて ライオンさんは いいました。


また ライオンがたの スタンプを あいてるスペースの スタンプようしに おしました。


みかちゃんは あつめた 5この スタンプを みて にこにこが とまりません。


「スタンプラリー、ぜんぶそろったんですね。あのカウンターに もっていくと プレゼントが もらえますよ。」


ライオンさんは、しっぽを くるくるしながら、しょうてんがい カウンターを

ゆびさしました。


みかちゃんは めを きらきら させて、おかあさんの シャツの そでを ひっぱりながら 

「おかあさん、はやくいこうよ。プレゼント なにが もらえるか きになるよ!」

「はい、はい。」


 みかちゃんと おかあさんは、てを ふる ライオンさんを せなかにして、しょうてんがいの スタンプラリー カウンター にいきました。

 そこには、おとこの てんいんさんが、スタンプラリー ようしを かいしゅう していました。

「スタンプを あつめたかたは こちらに どうぞ。」

 プレゼントめあてに たくさんの おきゃくさんで にぎわっていました。


「これ、おねがいします!」

 みかちゃんは ぎょうれつに ならんで てんいんさんに げんきよく あつめた スタンプラリーの かみを わたしました。


さっきまで ほかのおみせでは どうぶつの てんいんさんだったのに おとこのひとに なっていて、みかちゃんは ドキドキ しました。


てんいんさんを じーっとみると あたまから みみが はえてるような きがしてきます。

みまちがいかも しれないから くびを よこに ふると みみは はえていない。


ゆめを みているのかな。


ほほをつねって みても いたみを かんじるので ゆめでは ないようです。


「はい。5こ スタンプあつめて くれて ありがとうね。これは がんばった きみに プレゼント。はい どうぞ。」


てんいんさんは うしろから ちいさな ダンボールの はこを とりだして みかちゃんに わたしました。


「ありがとうございます。」


おかあさんと みかちゃんは だいじそうに はこを もって ちかくの ベンチに すわりました。


「おかあさん、はこ あけてみるね。」

「いいよ。なにが はいってるのかな?」


ゆっくり はこを あけると なかから ちいさな かわいい どうぶつの フィギュアが でてきました。

 どれもこれも ようふくを きた にそくほこうの どうぶつ。


どこかで みたこと ある どうぶつが 5こ はいってることに きづいた みかちゃん。


「ねえねえ、おかあさん。さっき かいものした おみせに いって みていい?」


「うん。いいよ。」


ふくろから だした プレゼントを またしまって あわてて かいものした おみせに おかあさんの うでを ひっぱって もどっていきました。


さいごに いった おみせは らいおんさんの おにくやさん。

 プレゼントの らいおんのフィギュアは、にそくほこうで エプロンを つけています。

みかちゃんは、たしかめに いきたくてはしって おみせに いったのです。

でも、そこには

「いらっしゃいませ。あれ、おきゃくさん。おにくを おさがしですか?」


もじゃもじゃ パーマで めがねを している からだの おおきな おとこの てんいんさん でした。もちろん、エプロンも しています。どうぶつの ライオンさん では ありませんでした。



みかちゃんは、ほかのおみせも すべてまわりました。


あんのじょう、いままで まわったおみせすべての てんいんさんが どうぶつではなく、いつもどおりの てんいんさんに もどってしまって いました。


みかちゃんは うっているものは、すべておなじ なのに どうぶつ てんいん じゃなく なっていることに おどろきを かくせません。


ライオンさんだった おにくやさんの おみせの てんじょう ちかくに あるたなには みたことある しっぽが おいてあることは みかちゃんも しりません。


おかあさんも みかちゃんとおなじで

ショックを かくせて いません。


「おかあさん、あのペンギンさんの おみせ すきだったなぁ。」


「みかは、アザラシさんが すきだったよ。でも、フィギュアあるし、おうちで おみせやさん ごっこ しようかな。」


「そうだね。おみせやさんごっこ、いいね。」


おかあさんと みかちゃんは、

スタンプラリー5こで もらったプレゼントをもって、おうちに かえりました。


どうぶつたちが てんいんさんの しょうてんがいが たのしかったみかちゃんは、かえってきてから ためいきが とまりません。


「つまんないな。どうぶつじゃないてんいんさん。」


うさぎさんの おうちを おみせにみたてて きょう もらった フィギュアを 5この てんいんさんで あそびながら

いいました。


「まあまあ。そう いわないで、きょうは みかの だいじな ひでしょ?」


おかあさんは だいどころから ろうそく をたてた バースデーケーキを

もってきました。


「うわぁ! ケーキだ!」


だいすきな いちごの おおきな ホールケーキ。みかは うれしすぎて ジャンプを しました。


「7さいの おたんじょうび おめでとう。」


「ありがとう! おかあさん。」


ろうそくの ひをけして、しょうてんがいで かいものして おかあさんがつくった かっぱまきと ちらしずし そして てづくりの アーモンド チョコレートを まんぞくそうに ぱくぱくと たべました。


「おいしい!! おかあさん、しあわせー」

ほっぺたに りょうてを そえて いいました。


「よかったね。おいしいでしょ。やっぱり どうぶつさんから かったものは おいしさ ばいぞうだね。また、どうぶつさんに あえるといいよね。」


「あえるかな?」


「きっと、らいねんの たんじょうびも  スタンプラリー やってくれるって。」


「そうだと いいなぁ。」


みかちゃんは、スタンプラリーで もらった 5こ フィギュアを たなのうえに きれいに かざりました。


おかあさんは ほんとうは しょうてんがいの ひとたちが どうぶつに へんそう してる なんて みかちゃんには くちが さけても いえないな とおもいました。


こんなに じゅんすいに しんじている

こどもに しんじつを おしえるには はやすぎると。


きっと、たんじょうびの さんたさん なんだと いいきかせることに しようと おかあさんは きめました。



おしまい。

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