第4話 一時の安らぎ

「……カラー、エデンズ」


 自分はぽそりと、そう呟く。

 虹色の楽園だなんてそんな眩い世界なのか、この世界は。

 静は彼に自分の知る物語に登場するものがあるかどうか問いかけた。


「あの、今のは魔法なんですか? それとも手品とか」

「こんなの魔法の初歩の初歩だ」

「魔法!? じゃあ、魔女の空飛ぶ箒とか、アラジンと魔法のランプに出てくる魔法の絨毯とかもありますか?」

「なんでそんな限定的……って、おい」

「ありますか!?」


 期待で胸がいっぱいになってきて、思わず声を荒げた。

 青年はビクッとしたが、後ろに後ずさらずに少しの間を置いてから返答する。


「……一応あるが、はしゃぐような話か?」

「もっと魔法見せてもらっていいですか? 小さい時から、憧れてて……っ」

「……魔女様」


 静が詰め寄られ困り果てた彼は慌てて短い銀髪の女性に助けを求めた。

 女性は紅茶飲みながら、目を伏せて告げた。


「お前が説明してやんなエド」

「で、ですが」

「エド」

「………………しかたない」

 

 エドと呼ばれた男性は諦めたように息を吐き、私と視線がかち合う。

 よく見れば、彼は170センチほどあるように見える。

 少し、じっと見つめるには首が痛くなりそうだ。


「じゃあ、まずは自己紹介か。俺はエドガー・ルーカスだ、よろしく頼む」

「よ、よろしくお願いします。エドガーさん」

「あちらの魔女様はベルン・リズティーナ様。俺たちの師匠だ、呼びづらかったら、魔女様みたいにエドでもいい、好きに呼べ」

「わ、わかりました……あ、あの、私もそちらの方を魔女様と呼んだ方がいいんでしょうか」

「ああ、それでいい……いい子だな」


 ふわっと優しく頭を撫でられる。

 さっき、目が覚める前の時と同じ温度がする。

 やっぱり、彼が私の頭を撫でてくれていたんじゃ……?


「それと、少し耳を貸せ」

「なんでしょう?」

 

 シェイレブさんは私の左耳にこそりと耳打ちする。


「魔女様は、怒らせないようにしろ。本気で怒った仕置きはきついぞ」

「余計なことを教えるんじゃないよ馬鹿弟子が」


 空中に突然出現した白い拳がエドさんの頭を叩くと、「うぐ!!」といって、彼はうめく。

 白い拳は風に霧散するようにすぐに消えた、今のも魔法の一種なのだろうか。

 間違いなくエドさんは小声で言っていたはずなのに、地獄耳でも持っているのかベルンさんは流し目でエドさんを睨む。紅茶のカップをもう片方の手にはアクアマリンを思わせる青白い宝石がついた小さい杖のようなものが見える。

 エドさんは、すみません魔女様、と言うと、わかってるならいい、と短く返した。


「魔女様、コイツの部屋は以前の余所者の部屋で構いませんか?」

「勝手におし」

「はい、魔女様後で食事を用意しますので」

「わかってるよ、さっさと行きな」

「じゃあ、行くぞ」

「は、はい」


 ドキドキしながらも年長者っぽい彼の後に続くことにした。

 彼が先導する形で自分も後ろからついていく。

 薔薇のアーチをくぐって、私が眠っていたベットがあった場所から中央の方へ行くと硝子の壁が自分たちの前に現れる。

 というよりも初めからこの場所に入り口というものが存在していないような作りと言えばいいのだろうか。周囲を見渡しても、さっきエドガーさんを追っていく途中周囲を見たりしながら来たが、どこにも入り口と思わせる扉がなかったのだ。

 ……エドガーさん、どうするんだろう。

 エドガーさんはどこからかベルンさんと同じ宝石が付いている小枝のような細い杖を取り出す。


「セイは、あんまりそこの壁に近づくなよ」

「あ、あの……出口もないのに、杖なんて、どうするんですか?」

「いいから……汝は鍵、鍵は門。開錠されし門出の祝いをここに――――スペリオールゲート」


 唱えたエドガーさんの呪文で、硝子だった壁は溶け出すように歪み出し、一つの扉のない出口を作り出す。向こう側には年季の入った趣ある屋敷が目に入り、おそらく魔女様と彼らの家なのだろうと察しがついた。

 けれど、それよりも気になるのは。


「今のって、呪文? ですよね。さっきのは無詠唱だったのに」

「ん? 今のは――」


 ぐぅうううううう……。


「あ、え…………っと」


 エドガーさんが答える前に、自分の腹の虫が鳴ってしまう。

 自分は慌ててお腹に両手を当てると、エドガーさんは面白そうに笑った。


「この世界のことと屋敷のことは食事を終えてから説明する」

「…………す、すみません」

「俺も腹が空いているし、はやく食べにいこう。腹が減っては砂になってしまいそうだからな」

「っふふ、はい」

「……リターンウォール」


 少し羞恥を感じつつも、シェイレブさんの言葉に安堵する。

 エドガーさんはまた魔法を使ったのか、さっきの出口が硝子の壁に戻すと、エドガーさんと一緒に屋敷に入る。

 中は本当に童話に出てくる魔女が住んでる屋敷のような印象を抱いた。

 樹海と呼んでもいいくらいの森の中の木々たちの匂いと、また少し違っていて、おばあちゃんの家の匂いと少し似ているように思う。

 安心する鼻腔に広がる匂いに、思わず昔みたいに寝転がって天井を眺めたくなる。

 ……なんて、さすがにそんなことをする高校生じゃないか。

 ギシ、と軋む木造の床の音も、本当にファンタジーの世界に自分が溶け込んでいる気さえした。 


「まず台所行こう、今日の料理当番はシェーレだったな」

「シェーレさんって?」

「シェイレブ・シーブルックだ。俺の兄弟子だな」

「そうなんですか、どんな人なんですか?」

「……マイペースな男だな」

「そうなんですか」


 ……優しい人、だったらいいな。

 うーん、でも、これからお世話になる人の料理を嫌だなんて言えるわけないし……助けてもらった恩もあるし、うん、どんな物を出されても今日だけは絶対全部食べよう。

 でも魔女の家っていうなら、自分が一番に期待しているものがある。

 自分の思っている理想としては、やはり黒々とした大釜だ。

 魔法の世界ならおそらく錬金術師とかも持っている可能性はあるが、魔女の大釜、これは童話好きにとってはやはりそっちが気になるというもの。

 ああ、今から楽しみだなぁ。


「ここが台所だ」

「あ、はい」


 エドガーさんが扉を開けると、そこはお洒落なリビングがあった。

 観賞植物があるのもそうだが、ファンタジー的な不思議な植物があったりして、少し異世界のワクワク感がやってくる。


「おい、シェーレ。実験料理はしていないだろうな?」

「何、エーちゃん。俺がいつも実験料理してる風な言い回しはさぁ」

「お前なら、あり得るだろう」

「兄弟子だから、特別に許してあげる俺の寛大さに感謝してよねぇ」

 

 シーグリーン色の頭に、穏やかなオリーブ色の両目をした男性はどこか見覚えがあるような気がした。

 ……なんだろう、人魚に沈められた時に見た、あの人魚とどこか被るような。

 エドガーさんとの会話で覗く、ドラゴンに尖った歯で彼は笑った。。

 にこやかに二人は会話をする。


 ――ああ、タイミングを逃した。

 

 その一言で片付けていいものではないはずだが、仲が良さそうな会話に割って入るのもなんだか申し訳ない……ボッチの悪いところなのだろうな。

 リビングと思われる場所の右横にキッチンがあるのが確認でき、シェーレさんがエドガーさんに呆れ顔を向けながら鍋で何かを煮ているようだった。


「ん? そっちの子は?」

「あの、余所者の生本静いけもとせいです。えっと、シェーレさんであってますか?」

「ああ、モニカから話は聞いてるよ。俺はシェイレブ・シーブルック、気軽にシェーブって呼んで。稚魚ちゃん」

「……稚魚ちゃん? あ、あのモニカって誰でしょう?」

「魔女様の使い魔の蝶のことだ」


 シェイレブさんは底が深いフライパンに入っている物をマグカップに移す。

 コトリと、置かれたカップの中身を近づいてから確認する。

 自分には馴染みのあるいい匂いが香って来る。 


「……ホットミルク?」

「先に胃の中に優しい物でも、って思ってさ……嫌だった?」

「いえ、ありがとうございます。よく小さい時から飲んでましたから大丈夫です」

「そっか、砂糖は好みがあると思ったからいれなかったけど、よかった?」

「ありがとうございます」

「はい、じゃあどうぞ」


 シェイレブさんはシュガーポットとフレンチトーストに食器を置いてくれた。

 数は四つだったから、おそらくベルンさんのとここにいる三人の分で全部なのだろう。そして最後にコーヒーを二つ置くとシェイレブさんは「ありがとぉ」とシェイレブさんにお礼を言う。


「わぁ、おいしそう」

「んじゃ、まず食べる前に手ぇ洗っておいで? 稚魚ちゃん。エーちゃんもね」

「そうですね」

「わかった」


 そうしてエドガーさんと自分は手を洗って、私は異世界に来てはじめての食事を取るのであった、シェイレブさんが作ったフレンチトーストを一口食べる。

 なんだか、とっても優しい味がした。

 別に味があまりしないとか、そういう意味ではない。

 ……なんだか、心がホッとする味だったのだ。

 おばあちゃんが作ってくれるご飯の時と、同じ感じがする。


「おいしいか? セイ」

「はい、とっても」


 エドガーさんは笑顔で返してくれた。自分も彼に笑って返す。

 すこしぎこちなくなってしまっていたかもしれないが、この空気の温度差は嫌いじゃない。 

 シェイレブさんはフレンチトーストを食べ終えたようで自分の隣の席でだらだらしている。


「魔女様なんかなかなか来ないねぇ、何してんだろ……エーちゃんは知ってる?」


 シェイレブさんはエドガーさんに声をかけると同時にシュガーポットから角砂糖を一つ手に取る。


「魔女様は詮索されるのが嫌いなのは知っているだろう」

「つまり聞いてねーのね、了ー解」


 口寂しいのかシェイレブさんは角砂糖をガリガリと噛んでいる。エドガーさんが「ダメだろシェーレ。砂糖がもったいないぞ」と注意した。

 ……やっぱり、気になるな。

 自分はフレンチトーストを置いて、二人に聞いてみる。


「……あのお二人に聞きたいのですが」

「なんだ?」「なーに?」


 息を揃えて質問すると二人は兄弟弟子だからこそだろうか。

 少しびっくりしてしまって間を置いてから自分は続ける。

 がり、とまたシェイレブさんは角砂糖を噛む。


「つまり私って、何にあたるんでしょうか」

「んー、保護対象的な感じじゃない?」

「保護……じゃあ、自分はエドガーさんかシェイレブさんに、もしくは魔女様に守られることになるってことですか?」


 砂糖を取った指を舐める彼はコーヒーを一口飲みながらも、答えてくれた。

 ことりとシェイレブさんはカップをテーブルに置いて、だるそうに机に突っ伏すと欠伸けっしんした。


「そ、そういう意味も含めてほーご。大抵の余所者ってほとんど魔法使えねーから、もし悪い魔法使いに引っかかったら有り金全部持ってかれたり、オークションに売られることだってあるんだよ」

「人身売買ってことですか?」

「そうなるねぇ、でもここに来た稚魚ちゃんは絶対魔女様が帰してくれるよ、安心しな」

「え……帰られる、んですか?」

「前例はある、昔お前のようにここへ突然現れた余所者もいたからな」

「そう、なんですか」


 フレンチトーストをまだ食べているエドガーさんは落ち着いた口調で教えてくれた。

 自分は手に持っていたフレンチトーストを皿の上に一度戻す。

 顔を下に背け、太股に置いた両手の拳を強くにぎめる。


 ――――でも、おそらく自分は死んだのだ。


 体が引き潰された感覚をしっかり覚えているわけでもない。ただ、朧気にそうだった気がする程度のことなのだ。それに帰られたとしても、もし地球での自分が死んでいるのだとするならこの世界の時間軸もわからない限り、向こうでとっくに葬式をされていたっておかしくないんだ。

 ……そもそも、もし本当に向こうで自分が死んでいたのなら、もう自分には居場所がない。

 帰る家だってないんだ。

 それなのに帰られるなんて、ありえないはずなんだ。

 この世界に転生という形だったら、私は帰られる保証がほぼないと思う。

 転移、というものなのなら体がこの世界に移動したということになるだろうからまだ可能性はあると思うが、そのどちらとも判明できないものをどうやって証明できるのだろう。

 私はぽそりと呟く。

 

「まだ、この世界に私以外にも余所者っているんですか」

「いないとは断定しかねるが、帰られる方法はその余所者によってばらけるな……セイがこの世界に来る前のことを聞いてもいいか?」


 シェイレブはエドガーに無言でアイコンタクトを図る。

 エドガーは視線でその意味にすぐに気づくと、ポケットからせいが見えない角度で杖を取り出す。

 シェイレブはエドガーの行動を悟らせないためにせいに問いかける。


「……はい、わかりました」

「じゃあ、直前のことを聞いてもいい?」

「……駅に飛び降り自殺しようとした友人を、助けようとして電車がすぐ近くまで来ている瞬間までは覚えています、でもそれより後のことは何もわからなくて……」

「気がついた時には既にこの世界にいた、という状況だったの?」

「そうなります……でもあの状況で、死んでない人間なんていないじゃないですか。だから、この世界に転生という形で転移した可能性もないとは思えなくて」


 せいがずっと顔を下に背けているため、二人には都合がよかった。

 エドガーとシェイレブは魔法を使って脳内で会話する。


『シェーレ、今魔女様にも聞いたが魔女様はそれを調べる準備してるからまだここに来れないはずだ』

『そうなるね、モニカかもさっき聞いたから確かじゃない?』

『……わかった、シェーレは後片づけを頼む。明日の庭当番は俺がやる』

『その条件で飲んであげる、じゃ、俺は明日のエーちゃんの掃除当番かぁ』

『屋敷の案内は任せた』

『わかったよぉ』


 議論が終わった二人は視線をせいに向け、シェイレブが話しかける。


「ねぇ、稚魚ちゃん」

「……なんでしょう?」

「稚魚ちゃんはここに来れたのはたまたまだろうし、この世界に来ちゃったことは後で調べていけばわかることだから、そんなに不安にならなくていいんじゃない? 気ー長く持たないと倒れちゃうよ?」

「……でも」

「ある意味、海外旅行の気分でいた方が気が楽だろう。この世界にも他国に行くのにも時間差は多少はある……それに、魔女様は昔から余所者を気に入ってるし、絶対に元にいた世界に返してくれる」

「……ありがとう、ございます。お二人とも」


 二人の気遣いの言葉に、感謝の言葉を言う。

 シェイレブさんもエドガーさんも特に気にした様子もなく笑ってくれた。


「お礼はいいよー、誰だって知らない場所に急に投げ出されたら怖いじゃん。俺は面白そうだから楽しんじゃうけど」

「それはシェーレに同感だ、知らない土地の知識を知るのは面白い」

「そう、ですよね。楽しまないと、むしろ損ですもんね」


 不安で押しつぶされそうになった自分が、少しだけ勇気が湧いた。

 いつまでも暗くいても、しかたのないことなのは確かなことだ。


「んじゃあ、稚魚ちゃん。ご飯食べ終わったら屋敷の紹介を――」

『こんなところで何をしているんですか、シェイレブ』

「……は? モニカ? なんでここにいんの」


 真っ青な青い二つの翅を持つ蝶が自分たちの前に現れる。

 海外番組で見かけたことがある気がする青い蝶がシェイレブさんに話しかけてきた。 声はおそらく女性……だとしても、蝶が喋るなんて初めてだ。

 モニカと呼ばれた蝶は冷静に淡々と要件をシェイレブさんに告げる。


『シェイレブ、魔女様がお呼びです。はやく来てください』

「えぇー、今からぁ? 俺、食事の片付けが、」

『当たり前でしょう、魔女様の命令は?』


 至極当然、と言ったふうのモニカの言葉にシェイレブはめんどくさそうに答える。


「ぜったーい……マジぃ?」

『行きますよ、遅いと魔女様に怒られるのは私なんですからね』

「痛って!! やめろよモニカぁ!!」


 モニカさんはシェイレブさんの頭に乗り、虫であるはずの彼女の手足は木の小枝よりも細いはずなのに、人であるシェイレブさんを席から立たせ、強引に扉の方まで連れて行こうとしている。


「あ、あの……そんなふうに連れて行かなくてもいいんじゃ」

「いい、セイ。俺からすればいつもの光景だ」

「で、でも……」


 なんだか見ていられなくなった自分は、助け船を出そうとしたのだが、シェラードさんは必要ないみたいに言われてしまった。


「なんでお前いつも俺の髪引っ張んだよ!? いい加減うぜぇんだよ!!」

『貴方の脳神経が活性化されるいい機会でしょう? こういう時に脳を使わないでいつ使うんです?』

「わかったから、行くから髪引っ張るなって変態蝶人!! バカ!!」

『私はそんな造語程度の罵りで激怒する女でもないのであしからず……それと、馬鹿という方が馬鹿なんですよ。貴方の頭でも知っている話でしょう?』


 シェイレブさんとモニカさんのやり取りを見ながら、エドガーさんに視線を向けると彼は我関せずだ……見ていて心が苦しくなる状況に彼は無言でコーヒーを飲む。


「うるせぇぞこの毒吐き蝶が!! 放しても問題ねえだろこの野郎!!」

『私一応メスなので、そこは尼と呼ぶべきでは? ああ、貴方の素寒貧すかんぴんな頭には入ってませんね』

「てめえ、後で覚えてろぉ!? 絶対絞めてやるぅぅううううううううう!!」


 二人は口論をしながら、バタンと強い音で扉が閉められる。

 静かになった空間で、私とエドガーさんで二人っきり。

 ……嵐の静けさ、にも似た空間に少し戸惑ってしまう。


「……行っちゃいましたね」


 沈黙に耐えらず、自分から口を出してしまった。


「そうだな。おそらくあのことについてのお叱りだろうから、しかたのないことだと思うが」

「あのことって?」

「それは俺が答えるべきじゃないから、言えないな」

「はぁ……」


 なんだか、はっと笑い飛ばすエドガーさんに疑問符が湧いたが、なんとなく深く聞かない方が良さそうだ。


「それより、まだ少ししか食べていないだろう? ……と言っても、俺もだが」


 エドガーさんは私にフレンチトーストを食べる催促をする。

 なぜだか、さっきのシェイレブさんとモニカさんのやり取りも面白かったが、彼のその言葉も、なんだかおかしくて。


「シェーレが戻ってくるまで食べながら少し話さないか?」

「いいですね……ふふ」

「どうかしたか?」

「いいえ、なんだか賑やかだったなぁって」

「確かに、あの二人のやり取りはいつも面白いんだ」

「そうなんですか?」

「ええ、そういえばこんなことがあって……」


 そして、その後から数時間後シェイレブが来るまでずっとエドガーと語り合うせいだった。

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