『夏の神さまと秋の神さまと』

やましん(テンパー)

『夏の神さまと秋の神さまと』


 毎年恒例の、夏の神さまと秋の神さまとの、将棋季節杯勝負が始まっていました。先に4回勝ったほうが、勝ちですが、伝統的に、4勝2敗で、9月末までには、秋の神さまが勝つことになっていました。


 しかし、そのことに、はたと、疑問を持った夏の神さまが、猛烈に頑張ったので、9月末までで、なんと夏の神さまが、3連勝したため、もしかしたら、秋はこないかもしれなくなりました。


 この状態に、猛烈な懸念を持ったのは、冬の神さまです。


 『秋がこなければ、冬もこない。出番がなくなる。そいつは、まずいな。』


 そこで、冬の神さまは、夏の神さまのジュースに、台風さんを使って、いっぷくもりました。


 夏の神さまは、対戦中に眠たくなり、思わぬ4連敗を喫したのです。


 『やれやれ。』


 周囲は、やっと、安堵しました。


 しかし、夏の神さまが、黙って引き下がるかどうか、みな、いまだに、はらはらしていました。



    🐶🐱🐴🐩🐣🐦

 


 

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『夏の神さまと秋の神さまと』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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