琵琶法師がタイスリップしてM1グランプリを目指したら

第11話 ショートコント「人生相談」

M１グランプリ１回戦は、大宮ラクーンよしもと劇場で行われた。

ネットで集めた人生相談の中でコントになりそうな題材をリストアップし、この日のために準備してきた。

舞台袖に控えて待ち、順番がくるのを待った。やや緊張している峰本の隣で、空斎は他の芸人たちのコントを眺めながら「早口すぎて何を言っているのかわからない」と言いながらも頑張って耳を傾けていた。

　壇上に立つと、空斎には強すぎた照明に、何やら眩しそうに眼を閉じて、静かに琵琶を構えた。眉間の皺が絶妙な表情を作った。

　峰本は大きめのスケッチブックを膝の上に乗せて「ショートコント人生相談」と大声を出した。

♬～最初のお便りは～

嫁姑問題が深刻です

板挟みでしんどいです

どうか僕を助けてください

切実ですね、お気持ち分かります

もはや家庭が関ケ原

どちらか死ぬまで続くでしょう！はいッ！

それではお次のお便りは

なになに？

友達が占いにハマってます

勧めてくるのが面倒です

おすすめ弥生時代です

卑弥呼のもとへ送りましょう

最期の相談なんでしょう？

陶芸にハマりすぎています。

なかなかやめられません

なんです？これは相談ですか？

縄文時代はとっくに過ぎてますが

まぁ、土器でも作ってくださいな

ありがとうございました！

と頭を下げ、舞台袖へ捌けた。なかなか好評だったようで、無事２回戦への進出が決まった。