第2話 少年時代

「岡ちゃん、修学旅行楽しみだね」

「なんでだ」

 ゴローの発言に弘明はそう返す。

「北海道だよ? 蟹だよ? ジャガイモだよ? ラーメンだよ? 牧場だよ? スキーだよ?」

「北海道はそこしかないからな。俺が北海道生まれだと言うのをわすれたか? まあ正確には大阪で生まれて、牧場で育ったんだがな。原牧場のオーナーだったんだ、俺の母親は」

「そうなんだ。じゃあ里帰りだね」

「そうはならん。修学旅行で行くのは原牧場じゃなくて、最大手の松平安平ファームだからな」

「そっか。小河原君はどこに行きたいの?」

 ゴローは巨漢マッチョの小河原に聞いた。

「俺も牧場だな。騎手になりたいんだ。

「そのデカさじゃ無理だぞ。小河原。体重何キロだ?」

「80キロだが駄目なのか?」

「駄目だ。ゴローや俺なら体重50キロ代だから騎手を目指せるがな」

 岡田は辛らつに小河原に言った」

「はっきり言うのね、弘明」

「嘘吐いてどうする、妙子」

「それはそうだけど、夢見るだけならただじゃない」

「そうだ。現実にならない夢はたださ」

 弘明は幼馴染の妙子にそう言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サラブレッド・キングダム ダークナイト 木村さねちか @Verdy323

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る