第12話 自衛隊侵攻

……早朝の自衛隊ダンジョン前線基地……


『よし!お前ら爆弾の個数は十分に確認しろ!』

そう基地の軍人に命令するのは陸上自衛隊特殊作戦群ダンジョン攻略班実行部隊の司令官アガネイア・クル・パラヤ少佐。


『アガネイア少佐!先頭車両にご乗車を』

一人の軍人がアガネイアに近づく。


『うむ時間か、行くぞ』

アガネイアの目の先には数台の森林伐採対応の戦車とその後ろに人員を輸送するトラック十数台が並んでいた。軍隊の車列があった。



(グンーーーード、ブルブル)

一斉に戦車のエンジンが動き出す。数十台の車列がダンジョンの方へと動き出した。




『おいおい!なんか自衛隊の奴らなんかダンジョンの方に向かってないか?何をするつもりなんだ?』

アキと佐藤の帰りが遅く心配になった小林の代わりにきた小林と同じ仲間がその車列に気づいた。





自衛隊の車列はダンジョンそばの街につく。


『おい!なんだなんだ?』

『自衛隊の戦車がきたんだよ!』

ここ十数年政府はダンジョン攻略を諦め自衛隊を動かさないできた。それが今突然自衛隊が来たのだからダンジョンの住民は混乱している。


『俺たちのダンジョンだ!』

『そうだそうだ!勝手に入るなよ!』

一部の過激な探検家たちが戦車に向かって各々遺物などで攻撃し始めた。


『やめろ!公務執行妨害だぞ!』

『うるせー!!』

自衛隊と住民との暴動になった。


『行かせるかよ!!』

『やめろ!!!』



『黙れ!アホども!』

(バン!!バン!!)

戦車から出てきたアガネイアが二発発砲する。

暴動が一瞬治った。


『う……うるせ!!銃なんて怖くね!!!』

それでも暴動の先頭で暴れていた一人の探検家は叫んだ。



『ほう、光やれ』

アガネイアは冷静だった。


『了解』

(スパ ボト プシューーー!!)

叫んでいた探検家の体が真っ二つになった。


『え?』

『権平さん?』

『死んでる。あの権平さんが』

住民はさっきまで暴れていた男が一瞬で上半身と下半身に別れたのをみて唖然としている。


『これ以上暴動を起こすなら全員殺します』

血の付いた刀を持つ女自衛官が群衆に向かってそう警告した。



『別に君たちの商売品を奪うつもりはない。我々は最近見つかった未開拓領域の調査が目的だ!そう怒らないでくれよ』

戦車の上に乗ったままアガネイアは群衆に説明した。


住民は唖然としていた。



『では、行くか』

アガネイアは車列を再び動かさせた。

もう誰も車列を邪魔しようとするものはいない。



『光助かった。よくやった』

『いえ、アガネイア次期少将閣下』


『言うね光くん。二階級特進以上じゃないか』

『当然です。先生はそれぐらいの力はあります。あの阿婆擦れがおかしいだけです』


『そうかね、近衛くんは優秀だったが考えがダメなだけだ』





……ダンジョン森林地帯……


車列は先頭の森林伐採能力をつけた戦車で森を踏み潰しながら入る。


『2時の方向!魔物2体!』

『3番車!4番車!射撃!』


(ドン!……ドン!    きゅうううん!!)


現れた魔物は戦車の砲弾で倒されていく。もう数十体は殺された。



『所詮は脳無し突っ込むことしかありましんね。少佐』


『ああ、だがこれが出来るのも私の数十年の成果の結果だ。ここまで来るのに何千人もの自衛官が死んだ。割には合わんよ』




『予定ポイント到着!』


『着いたようだな』

アガネイアが戦車から降りる。

『少佐!』

そのすぐ後ろに光が続く。


彼らの前には未開拓領域へと続く穴があった。

『最新の拷問機は優秀だな、情報が一つも間違っていないな』

『はい、少佐。そうですね』


『では、始めようか』

アガネイアは不適な笑みでそう言った。





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ダンジョンで魔物の少女を助けて攻略の糸口見つけたらなんか話題になってソロなのに仲間申請する奴増えてしまった。 ライカ @rururu1123

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