第11話 アガネイア・クル・パラヤ
『よお、君、二日ぶりかな?』
『マズイ』
急いでホワイトを抱えて扉の方まで走った。
(ガシン!ガシン!)
扉が開かない。
持っていた刀で扉を切ろうと振りかぶる。
(バシ!)
『逃さないよ、君』
気づいた時には男が僕の手をつかんできた。
『アホが』
(ドン!)
鈍い音がしたと思ったら、横腹に強烈な激痛と共に体が飛ぶのを感じた。
『所詮は民間人と言ったとこか』
男は余裕そうに飛ばされて倒れこむ僕に近づいてくる。
(シュ!)
僕は倒れこみながらも刀を男の足に向かって振った。
(ヒョン、スパ、カラカランー)
男はすぐに僕の振った刀に気づいてジャンプしたと共に男も刀で僕の刀を止めようとしてきた。が、僕の刀がその刀を切り落とした。
『おっと、凄いねそれ。強化金属も斬るのかい。こら凄いな』
男は刀の先端が切り落とされたのに驚きつつ冷静に後方に下がってしまった。
僕は立ち上がって刀を構える。
『お前は……』
『ふん、私か?ま、君は私について知る必要もない。さあ大人しく投降してくれないか』
『なら、ホワイトを解放させてもらう』
『はー面倒だな』
(バシ)
男はホワイトの所に一瞬で移動して、ホワイトを掴んでナイフをホワイトの喉もとにつける。
『お前!』
『卑怯だって?別に良いだろ所詮は魔物だ』
(ザッ)
僕は少し近づこうとする。
『お、おっとこれ以上こっちに近づいたらこいつの首は飛ぶぞ』
そう男はナイフを少し動かしてホワイトの首に傷をつける。
(タラー)
ホワイトの首から真っ赤な血が流れて白い髪を赤色に少し染めた。
『く、』
また僕は何も出来ない。
『さ!もう諦めて投降しな。そしたらまた何事もなかったみたいに帰してやるよ』
男は鬱陶しく投降を勧めてくる。
(バン!)
『少佐!』
扉が勢いよく開いた。
『少佐!何事ですか?』
数人の軍人が入ってきた。
『侵入者だよ……ふん!もう終わりだ』
男はそう言いホワイトをきた軍人に預けた。
『死んでも恨むなよ』
男は持っていた刀を振りかぶりながらこっちに猛スピードで走ってきた。
急いで体を動かして避けようとした。
だが、圧倒的にスピードが違う。
避け切れない。
『先輩!!』
(カーン!)
男の刀が僕に当たる直前でアキが飛び込んできて男の刀を跳ね返した。
『おっとと、アキくんか』
男は突然出てきたアキに驚きつつ冷静に後ろにさがた。
『アガネイア!お前!』
アキは怒りの形相で男を見ている。
『おいおい、元上官に向かってそれはないだろ』
男はアキと面識があるらしい
『黙れ!クズ!』
アキは珍しく人に罵声を浴びせる。
『はーーそうくるかい、ま、いいか。アキ君』
そう男は言って近くの軍人から機関銃を奪いこっちに向けてくる。
『あいつがアガネイアです。先輩。奴は相当強いでも勝てます。私が奴の気を引いてますから先輩が刀で一撃喰らわせてください』
『ふん、気に食わないツラだなアキ』
『あっそ!でもあんたのツラと脳みそはもっと醜いわ!』
『そうかい!』
(ダダダダダ)
アガネイアはアキに向けて発砲を始めた。
(タタタタタタタ)
アキは遺物を使って猛スピードで走る。
『おい!逃げてるだけじゃダメだぜ!』
アガネイアがそう言うと僕にも銃口を向けて発砲してくる。
『やば!』
急いで射線の通らない壁に走った。
『何すんのよ!』
アキがアガネイアに接近して格闘戦を仕掛けようとした。
(パーン!)
一瞬で部屋中が明るくなると同時に耳が痛い。
『キャ!』
最後にアキの声がした。
目の前が真っ白だし耳鳴りがする。
(ガシ!)
胸ぐらを掴まれた。
(ゴン!)
頭に強烈な痛みがきたと共に意識が消えていく。
僕は気絶した。
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