AI美女を作れるようになったら、目の前に本物の美女がいてハーレムを作れるようになりました。

@uisan4869

第1話

「ごめんなさい!あなたとは付き合えません!」夜の繁華街の綺羅びやかな街並みを背景に足早に目の前から走り去る女性の後ろ姿を俺はただ見つめるだけしかなかった。


俺はこの日、マッチングアプリで知り合った女性と一回目のデートであっけなく振られた。


何がだめだったのか?何度かメッセージを繰り返し、連絡先を交換して今日に至るまでいい感じにやってきたのに…


待ち合わせもデートの10分前には到着しておいて行く事前に予約していたお店の口コミやレビューで絶対に外さない料理をリサーチして完璧な状態でデートを始められるようにしていた。


いざ会った女性は写真よりも実物が何倍も可愛くて思わず舞い上がりそうになるのを必死に我慢して余裕のある男を演じる。


女性経験が少ない事を悟られないようにするためだ。


だが、慣れない事はするものではない。


女性経験のないいわゆる童貞の僕には余裕のある男を演じられる程の、自分に対する余裕などなく、演じれば演じるほど口や行動からボロが出てきてしまい、結局その女性とは一回のデートっきり再び会う事はなかった。


「やっぱ俺って、一生童貞で女の人とは縁も所縁もない人生を1人寂しく終えるのかな~~~~!!!」


幼馴染の同級生がやっているBARで1人、周りに普通にお客さんがいる状況下の中で叫んだ魂の声はあまりにも悲痛すぎて隣の隣に座っていたお姉さんから「可哀想だから」という理由でアルコール度数強めのお酒を1杯奢ってもらう始末ような始末。


そのお姉さんともお酒の力で一瞬いい雰囲気にはなったものの何もすることは出来ず、改めて自分の男としての不甲斐なさを感じる一日となった。


完全に酔い潰れた次の日の朝、目を覚ますと確かにそこは自分の家ではあったものの寝ていた場所は何故か玄関で寝ていたようで、起きたての身体はベットで異常な程にバキバキになっていた。


「なんでこんなとこで寝てんだよ、俺…」


昨夜かなりのお酒を飲んでいたせいか、まだ身体にお酒が残っている気がする。


バキバキで重たくなった身体をなんとか起こして、ゆらゆらとおぼつかない足取りで冷蔵庫に買っておいた水を一気に流し込んでアルコールを抜いていく。


500のペットボトルを一気に飲み干して、ぼやけている視界と意識を晴らす為に洗面所で顔を洗う。


だがそこで鏡を見て自分の身体の違和感に気がついた。


玄関で寝ていたにも拘わらず服装が昨日の服ではなく、古くなった寝ている時にしか着なくなった寝間着に何故かちゃんと着替えている。


おかしい。


というのもこの服はめんどくさがりな俺の性格を直すために昨日のBARにいたあの同級生が譲ってくれたタンスにしまっていたはず。


これを取り出すにはリビングまで行ってタンスを開けて取り出す必要がある。


酔っ払った俺がわざわざ服を取りに行って着替えて近くにベットがあるにも拘わらず玄関で寝ているなんて考えにくい。


どういうことなんだ?


もし同級生がここまで送ってくれたのならば、昨日の服装のままベットに放り出してくれるはず。


一緒に飲んでいたお姉さんが送ってくれたとしても移動はできないとしても服を着替えさせてくれるとは思えない。


じゃあ、一体…。


一瞬怖い予感が頭を過ぎった。


もしかしたら誰かが俺の事を着替えさせた?わざわざ?


何が何だがよくわからないまま歯を磨いていると、玄関に人の気配。


いや、気配どころではない。


明らかに玄関の扉が開く音が聞こえ、玄関先で靴を脱いでいる気配を感じる。


まさか、玄関の鍵を閉めずに寝ていたのか?もしかして泥棒か?


洗面所から玄関までは扉を開けたらすぐの位置にあり、これがもし泥棒なのだとしたら出くわす3秒前といった状況だ…。


喧嘩や腕っぷしには学生の頃からある程度自信はある方だが、身体の中にかなりの量のアルコールが残っている今の状態で、相手がもし屈強な男だったら勝てるかどうか…。


一抹の不安はあったものの、いつまでも洗面所に隠れているわけにもいかないと意を決した俺は、勢いよく洗面所の扉から飛び出し戦う事を決意した。


だが、飛び出した視線の先、物音のした玄関に立っていたのは屈強な男とはまるで正反対なふんわりとしたショートカットヘアーに大きな目、細く男の俺が少しでも触れようものなら壊してしまいそうな華奢な身体、そしてその身体には似つかわしくない程の豊満な胸が一際目を引いた。


あまりにも自分のタイプすぎるその女性に思わず見惚れて、その場に俺のほうが立ち尽くしてしまった。


「あ…目、覚まされたんですね!良かった…!」

俺の顔を見るなり抱きついてきては人のぬくもりとともに柔らかく豊満な胸を押し付けてくる。


ああ、まずい…!いくら酒に酔っていたとはいえ、まさか酔った勢いで童貞をこんなかわいい女の子で卒業してしまうなんて…


俺は抱きつく彼女を引き剥がし、彼女のまっすぐでまるで嘘なんて知らないような純情な眼差しと可憐すぎる顔をじっと見て謝った。


「ごめん!酔った勢いとはいえまさか君みたいな女の子に手を出してしまうなんて…しかも俺、酔っ払ってて昨日どうやって家に帰ったのかもなんで寝間着に着替えているのかも覚えてなくて…」


すると彼女は俺の言葉の意味を理解できていないのかキョトンした顔で俺の顔を見つめてくる。


止めてくれ…!これ以上そんなかわいい顔で俺を見つめないでくれ…!これ以上見つめられるとなんとか効いている理性と自制心が一瞬にして崩壊してしまうとともに、君を汚してしまった申し訳無さで押しつぶされそうになってしまうから!


「良いんですよ?ご主人は私の大好きな人ですから!何しても構いませんのですよ?」


え?何をしても…良いの?


「何をしてもいい」その一言が俺の中で一瞬、彼女に対する邪な考えが過ぎらせた。


よく見れば、顔やスタイルの他に服装も俺好みの格好をしていて、余計に俺の心を滾らせる。


ああ、だめだ。


ここで手を出してしまえば俺は俺でいられなくなってしまう。


見ず知らずの女の子に、たとえ何をしてもいいと同意があったからとはいえ、その瞬間俺は社会的に終わる運命に晒される。


だが、所詮俺も「オス」である。


いくら目の前の女の子が知らない子だったとしてもその豊満な身体を自分に許しているとなれば、よほど精神力が強い男でない限り、オスとしての本能に抗えないはずだ。


かくいう今の俺ももう数秒すればこの子に手を出す手前のところに居る。


頭ではわかっていても止められないのが本能というものだと言う事なのだ。


人間は事故に遭う瞬間、時間がゆっくりに感じるというが今の俺の時間も何故かゆっくりに感じていて、二日酔いとは思えない程周りがよく見える。


そこで俺はふと、自分のパソコンが何故か電源がついていることに気づいた。


「あれ、そういえば昨日ってパソコン使ったっけ?」


「え?ああ、あそこは私が鍵を開けました!」


ああ、君が開けたのか…ん?鍵を開けた?あれ?家で使うだけのパソコンにロックなんてかけてたっけ?


彼女に対する興奮の感情が一時的にパソコンに対する疑問に移り変わり、迫りくる彼女の猛攻を掻い潜りパソコンを置いている部屋へと歩を進める。


電源を入れた覚えのないパソコンのショートカットに薄っすらとだが覚えのあるサイトのアイコン。


確かこれは、パソコンに詳しい友人から教えてもらったサイトを試しに使ってみて、またサイトを検索するのが面倒だからとショートカットに追加しておいたんだっけ。


教えてもらったサイトって確か…


「生成AI…」


サイトを開いた瞬間、背後に感じていた彼女の気配が突然姿を消した。


まさか!


俺はとっさにサイトのタスクと呼ばれる生成中の画像を表示するページに移り、これまでどのような画像を自分が作っていたのか確認した。


これは…そこに映し出されていたのは目の前にいる彼女と同じ顔、同じ格好をした俺が生成したAI美女の画像だった。


「なんで彼女と同じ顔のAI生成画像がここに…」


「あー!私だー!マスターが可愛く産んでくれたから、今の私があるんですよぉ?」


「え?今なんて?」


「だから、私はマスターが作ってくれた理想の彼女なんですよ?」


まさか、こんな同人ファンタジーみたいな展開…あって良いのかぁ!!??






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