第二章 の 続き

第19話 王宮結界編 ー中 第二幕ー

翌日、朝5時。

僕、ジンさん、お手伝いさんは少女を起こすことに手を焼かれていた。


昨日の夜は、光の当たらないところでは寝られなかったらしく、わざわざベッドを窓の横まで持っていった。

寝ぼけながらベッドを浮かせたせいで、ベッドを足の上に落とすという悲惨な事態になったのだ。最悪だ。


あー諦めたい。

この少女が5時なんかに起きられるはずもない。当たり前だ。

「虹翼様ー・・・」

お手伝いのお姉さんがリーセルを軽く揺さぶったが、まっったく起きる気配は無い。

ジンさんはそれを知っているからか、半場諦めムードだ。


「起きる気配が無いな」

諦めムードじいさん、この人とは苦労が分かり合えるかもしれない。

「ど、どうしましょうか」

「ここにいても時間が潰れていくだけだ。君は結界を張る準備を」

賢明な判断です。


お手伝いさんが部屋を後にしたのを見送ると、ジンさんは杖を取り出した。

「心配するな。こうしないと君以外はこいつを起こせない」

そうぼやくと、じいさんは少女の寝ているベッドを、

浮かす→半回転させる→床にたたきつけた


「ぐはっ」by僕

それでも寝るby少女

神経終わってやがる。


「起きろリーセル」

「本当にババアをこき使うのが好きなようじゃな」

床に仰向けでたたきつけられたのに、無傷で起き上がりながら少女は言った。



先に出ていたお手伝いお姉さんが、結界術に必要な道具を渡してくれた。

どうやら少女の家まで取りに行ってくれていたらしい。

感謝。



先日、神タイミングで作った舞用の和風ロリータを身につけ、少女は霊塔へと足を踏み入れた。

「あー帰りたい」

「僕もさすがに帰りたいかな」

腕をだらーんとさせ、壊れた人形のように神像の元まで歩いた。


すると突然、少女はぐわっと体を起こした。

「おいジンさん、この結界、霊気を入れまくったら完成するんじゃったな?」

「まあそういうことだな」

そういうことだが?

「ワシは霊気の出力を調整できる」

お。

「はあ、なるほどな。好きにしてくれ」

「よし、一時間で終わらせるぞ」



そして、莫大な量の霊気を一気に出し切り、一時間の舞で結界は完成された。


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