第18話 元気のなった の巻
「ああああーーーー
「あ、リーセル生き返った」
「勝手に殺すな。死んどらんわ」
ボケーッとした目付きで少女が突っ込んだ。医局のベッドに寝かされていたみたいだ。
「ベッドが硬いな」
「で、一体何だったの?」
「ワシもよく知らん。八つの頃にもこれを受けたことがあったんじゃが、その時は動けるようになるまで一日かかったんじゃからな」
「君ほんとにこれブッチしまくってたんだね」
「当たり前じゃ。殺す気か。光にも長時間当たっとらんからしんどいし」
血液を抜かれたっぽい。それも結構な量を。恐らく光魔法についての研究の為だろう。
と話していると、部屋に来客が来た。某結界頼みじいさんだ。
「おお、起きてたか。元気か」
「ババアを死地に送っといて平然と顔を出すな。殺すぞ」
「言っていることが矛盾してるぞ」
矛盾してるぞっ。
「悪かったな。多量の血液を抜いたんだ。国のためだ。悪く思わないでくれ」
「国のためにこのワシが役に立とうと思うとでも?」
「面倒くさいなこいつ」ぼそっ。
「おいじいさん、やっぱ殺す、表出やがれ」
本日ガン飛ばしn回目。
「16のガキに教師が殺される構図は嫌すぎる」
呆れたように声を漏らすと、じいさんは少女の頭に手を置いた。
「ん、なんじゃ。ワシは今更教師面など・・」
「このタイミングで悪いが、明日、王宮結界の張り直し、な」
「あ?」
ああやばい、頭ポンッをされて少しのろけていた少女が、
「おい、表に出るまでもない。今すぐ、ここごと消し飛ばしてやる。首を差し出せ老人」
本日のガン飛ばしn+1回目。
「では、私は帰らせてもらおう。今回の件について、処理すべき事が未曾有にあるのでな」
「待ちやがれクソガキ!ワシ直々に手を下してやると
「失礼します虹翼様。点滴外しますね」
「タイミングを考えろヤブ医者ぁぁぁ!」
じいさんの出て行く方向とは反対の位置に、スッとやってきた医者の方に、少女は自身の首をねじ曲げた。
元気そうで何よりだ。
「チッ、んがーーーー疲れた疲れた疲れた-」
「うん、お元気そうで何より」
明日のこともあるので今日は城にお泊まりだ。
光の入ってくる量は少ないが、フワフワベッドご希望の少女にしっかり合わせてくれたらしい。
食事も向こうが用意してくれたらしく、さっき使いの人が運んできてくれた。
「しかしなんじゃ、このいかにも味のうっすい病院食は」
「仕方ないんじゃない?点滴の後なんだから」
「ワシ、ここに来たときにお粥は嫌いだと伝えなかったか・・」
ガン飛ばす元気はもうなさそうだ。しょんぼリーセル。
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