第9話 暇はある
こっちまで飛んできた火の粉はシールドによって反射され、地に返っていった。
眩しい金色を放つ少女は、空中で弧を描き、とっ、と地面に着地した。
そして、舐めていたミントチョコレートを飲み込んだ。
今の少女は、敵を殺すことが楽しかった。
第九話 暇はある
リーセルの今回の仕事はこれで終わりだ。
戦闘開始から、数分といったところかな。
ここからは特にすることもなく、「作業」が終わるのを待つことになる。
それがまさかの数日間。最悪だ。
霊気通信で上官へと報告する。
「虹翼、任務完了」
「ご苦労。これから学徒兵どもを向かわせる。第一に待機所があるから戻ってくれ」
「うむ」
さてここからが今回長旅になる理由だ。
今回リーセルが抹殺したであろう敵数は約10万。なんせこれが多い。
そして今回の学徒兵も初参加のため帰国が長引くとのことだ。
・・・暇だ。実に暇だ。
さあこの暇をリーセルは何をして潰すのか。
さあはじめは?お、どうやら魔術書を持参していたようですね。それを読むみたいです。
・・・ぶあっついですね。付き合うのが面倒くさいです。
リーセルの待機室は色々な設備が整っているから、そこそこ快適だ。
冷暖房完備、湯船ありのお風呂、なんとウォシュレット付きトイレまである。
リーセル、お風呂は嫌いだから二日に一回だし、ウォシュレットはいい年してるのに怖くて使えませんけどね。
強いて言うならどうやって夜を明かそうか悩むところですね。
外で寝るってのも嫌な話だし、かといって中では寝れないからね。
(うるさいのお、こやつ。)
すると、少女は何やらニヤリと笑った。
「うっっっ、、眩し」
僕に光魔法を当てたかったみたいだ。
「ふふっ」
こういうイジリが好きなのも、この少女の特徴だ。
お、読書は終えるみたいですね。
この部屋、意地悪か窓がないので外に出るみたいです。
「しんどくなってきた。少し運動しようと思うが、かまわんかの」
「はいはーい」
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